「粉飾決算がみられるように」 地銀協会長、地銀の与信費用増加で
全国地方銀行協会の笹島律夫会長(常陽銀行頭取)は13日の会見で、2019年4~9月期の地銀決算について「出そろっていないが、全体として収益的に厳しい環境を反映している」と述べた。融資先の倒産に備えた貸倒引当金など与信費用が増えていることを踏まえ、「(融資先で)いわゆる粉飾(決算)が最近になってみられるようになった」と説明した。
笹島会長は粉飾決算については「個別性が強い」とした上で、「資金繰りがついていて形式上は普通に見えるが、後になって気がつくケースが出ているのではないか」と述べた。複数行から融資を受けている企業の経営状態が悪くなり、それぞれの銀行で引当金を積む動きが出ることで与信費用の増加につながっているとの見方を示した。
景気が好調な時期には企業業績が上向くのにつれて与信費用が減少する傾向にあるが、景気が落ち込むと与信費用は増えやすい。笹島氏は足元の環境について「景気が悪く引き当てを増やす状況になったとは認識していない」と話した。
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