イズミ、高松のマルヨシセンターと資本業務提携
生鮮品の調達を強化 ドミナント戦略で生き残り図る
イズミは12日、四国でスーパーを展開するマルヨシセンターと資本業務提携すると発表した。マルヨシセンターが実施する第三者割り当てを引き受け、持ち分法適用会社とする。四国内での同社の生鮮品の仕入れルートを自社の商品力向上に生かすほか、共同仕入れや店舗運営の効率化を狙う。地方都市は人口減と高齢化の進行で小売業を取り巻く環境は激しさを増しており、スケールメリットを追求し中四国・九州での生き残りを図る。
「中四国・九州でドミナント(集中出店)戦略を強める中で、商品調達で協業のメリットを互いに出せる」。イズミの山西泰明社長は同日、高松市内で開いた会見で強調した。香川、徳島、愛媛を中心に店舗展開するマルヨシセンターは近年、収益力が下がっているが、生鮮品の調達に強みがある。一方、イズミは四国で大型店を中心に展開し、店舗の競合が少なく補完関係を築けるとして提携先に選んだ。
イズミはマルヨシセンターが実施する第三者割り当てによる自己株式処分を引き受けるなどして、議決権比率で20.02%を取得する予定。取得額は約5億円とみられる。
提携により、電子マネーの共通化なども進めたい考え。イズミの電子マネー「ゆめか」についてマルヨシセンターの佐竹克彦社長は「カードやアプリなど、導入を検討していきたい」と話した。
人口減少に加えドラッグストアやネット通販との競合も激しくなり、中四国での小売業の経営環境は激しさを増す。ライバルのイオンは2018年に愛媛を地盤とするフジと資本業務提携しており、生き残る上で陣営の拡大は待ったなしだ。
イズミは15年にスーパー大栄(北九州市)とユアーズ(広島市)を買収。広島や九州エリアを重点的に押さえてきた。18年にはセブン&アイ・ホールディングスと提携、電子マネーの相互利用を進めてきた。
しかし、イズミの山西社長は「ここ5年ほどは堅調だった消費マインドが、6月ごろから厳しくなってきた」と話す。10月の消費増税がマインドを一段と引き下げており、さらに提携先を広げる決断をした。
山西社長は老後資産2000万円問題などの影響で、節約志向が強まっているとも指摘。危機感は強く、提携効果を発揮させる具体策を早急に詰める考えだ。