北海道電、全道停電を想定した訓練
北海道電力は11日、北海道内全域が停電するブラックアウトを想定した非常事態対策訓練を実施した。北電は2018年9月の北海道胆振東部地震に伴うブラックアウトを教訓に、再発防止のアクションプランを策定しており、訓練はその一環。本店と道内各支店の情報連携や移動発電機車による避難所への給電作業を報道関係者に公開した。
訓練は12月深夜に全道広域で震度6弱以上、最大震度7の地震が発生したと想定。北電社員ら約350人が参加した。
電力供給を管理する中央給電指令所で指令員が各発電所の被害状況を確認し、関係機関に連絡。電力復旧に向けた指示を出した。
本店に設けた特別非常災害対策本部の様子も公開した。藤井裕社長ら約40人が集合。道内10支店とテレビ会議システムでつなぎ、設備異常の有無や自治体への職員派遣の報告を受けた。SNS(交流サイト)で停電情報や復旧見通しを発信する訓練も行った。
イオン札幌平岡店(札幌市)では緊急避難所への給電作業も公開した。電気で送風して膨らませるバルーンシェルターを設置するため、移動発電機車を使用。約50人を収容できる避難所を設置した。
藤井社長は訓練終了後、「ブラックアウトを二度と起こさないという決意のもとで、しっかりアクションプランを進めていきたい」と話した。