aiboに芸を教えよう ソニーがプログラム用ソフト
愛犬に芸を教えよう――。ソニーは11日、犬型ロボット「aibo(アイボ)」の動きを自由に設定できるプログラム用ソフトの無償提供を始めた。IT(情報技術)の専門知識がなくても、自分のaiboに新しい動きを加えることができる。企業のシステムと連携させて受付サービスなどで利用することも可能で、aiboの活躍の場を広げる。
名前を呼ぶと、歌い出す――。同日、東京都渋谷区で開かれたイベントで実際にaiboのプログラミングを試してみた。タッチパネル式の画面に一覧で表示された動きを組み合わせるだけで、自分好みの動きが設定できた。回転など複数の動きを組み合わせれば、aiboにモデル風のウオーキングをさせることもできる。
ソニーは同日午後にプログラミング環境の提供を始めた。記者が試したのは「ビジュアルプログラミング」とよばれるもので、子どもでも簡単にプログラミングに挑戦できるという。2020年度からの小学校でのプログラミング教育の必修化も見据え、家族で楽しんでもらう考えだ。
ITの専門知識を持つ開発者向けの「デベロッパープログラム」も提供する。「ほえる」「お手」などの動きを設定する機能と、名前を呼んだ時の認識結果を設定する機能を用意し、開発者が自由に動きを作れるようにする。
aiboの特徴である「愛らしさ」を生かすために、同じプログラミングをしてもaiboの心理状態によって異なる振る舞いをすることがある。例えば、「ほえる」プログラミングが実行される場合でも、喜んでいる時は明るくほえて、怒っている時は強くほえる。
ソニーはプログラム用ソフトを外部に開放することで、aiboの新たな用途開発につなげたい考えだ。ソニーのAIロボティクスグループの平朋大統括部長は「企業や団体・教育機関・個人のサービスとの連携を推進していきたい」と話した。(広井洋一郎)