被災地で車無料貸し出し 台風被害の宮城県丸森町
車の無料貸し出しで被災者を支援する一般社団法人「日本カーシェアリング協会」(宮城県石巻市)は9日、台風19号の被害が大きい宮城県丸森町の災害ボランティアセンターで、被災者や復興支援団体を対象に、車のレンタルを始めた。
この日は午前中から借り入れを希望する被災者がブースを訪れ、申込書の記入などをした後に車が引き渡された。軽乗用車を借りた同町の飲食店経営、小山敏明さん(62)は「車が浸水して食材の買い出しができなかった。これで店を再開でき、ありがたい」と笑顔で話した。
同協会によると、支援のため乗用車やトラックなど約60台を寄付で集めた。貸出期間は車種や被災者の状況によって変わり、最大で来年1月末まで。手続きには運転免許証や罹災(りさい)証明書などが必要となる。保険料は協会が負担し、利用者は燃料代のみを支払う。
同協会は宮城県内で計約150台の貸し出しを目指し、丸森町以外にも拠点を設ける予定。車の寄付の募集も継続する。担当者は「山間部など車がないと生活できない被災地も多い。復興の一歩になれば」と話した。
同協会は2016年の熊本地震や18年の西日本豪雨でも活動をしている。〔共同〕