北朝鮮高官、米国をけん制「行動間違えば重大な結果に」
【モスクワ=小川知世】北朝鮮外務省のチョ・チョルス北米局長は8日、モスクワで開かれた核軍縮に関する国際会議で、米韓合同軍事演習や経済制裁を非難し、「危険なゲームだ。行動を間違えれば重大な結果を招く」とけん制した。非核化を巡る米朝交渉が行き詰まるなか、米国に歩み寄りを促した。インタファクス通信が伝えた。
会議は米国務省のランバート北朝鮮担当特使も参加し、9日まで開く。10月にスウェーデンで開いた米朝の事務者協議で北朝鮮側が決裂を宣言し、米朝高官の接触が注目されている。聯合ニュースによると、チョ氏とランバート氏は7日夜のレセプションで5分ほど会話を交わした。在ロシア北朝鮮大使館は会談の予定はないとしている。
会議でチョ氏は成果のない協議には応じないと表明した。「朝鮮半島の未来は米国の行動次第だ。日に日に機会の窓は閉じていっている」と述べ、米国に年末までに打開策を示すように求めた。
ロシアは米朝協議の再開を促し、存在感を示したい構えだ。モルグロフ外務次官は8日、ランバート氏や韓国の李度勲(イ・ドフン)朝鮮半島平和交渉本部長と会談し、情勢の正常化へ外交的な解決が重要との認識を確認した。会議でラブロフ外相は「朝鮮半島の核問題は関係国との対話に基づく外交によってのみ解決できる」と演説し、中ロの役割を強調した。
金正恩(キム・ジョンウン)総書記のもと、ミサイル発射や核開発などをすすめる北朝鮮。日本・アメリカ・韓国との対立など北朝鮮問題に関する最新のニュースをお届けします。