大和ハウス、取締役に定年制 81歳の樋口会長は続投
大和ハウス工業は8日、社内取締役に定年制を導入したと発表した。原則として代表取締役は69歳、それ以外は67歳を上限とする。世代交代を促し、優秀な人材の育成につなげる。社外取締役も増員し、経営の監督機能を強化する。同社は事業が急拡大する一方、中国のグループ会社の不正流用などの不祥事が相次いで発覚。経営体制を見直し、ガバナンス(企業統治)を強化する。
現在81歳の樋口武男会長は続投する。芳井敬一社長は同日の記者会見で「創業精神を伝えて経営に助言を頂きたい」と説明した。同社の取締役16人のうち社外は3人にとどまり、機関投資家の求める3分の1以上に届いていない。時期や人数は明言しなかったが、「できるだけ早く社外取締役を増やす」とした。
同社は物流施設や海外での不動産開発など事業を拡大。連結売上高は19年3月期に4兆円を超え、01年3月期の4倍に増えた。急成長にチェック体制が追いついていない。芳井社長は「ガバナンスが少し脆弱になり、目が届かない点もあった」と認めた。
大和ハウスは同日、20年3月期の連結純利益が前期比7%増の2530億円になる見通しだと発表した。従来予想を10億円上回る。インターネット通販の拡大を受けて物流施設の開発が好調で、賃貸アパートの苦戦を補う。売上高も1千億円上方修正し、5%増の4兆3500億円になる見通しだ。