金利はどこまで下げられるのか
Global Economics Trends 編集委員 小栗太
2019年に入り、日欧の長期金利がマイナス水準に落ち込むなかで、一つの経済理論が注目を集めている。「リバーサル・レート論」。金利の低下が限界水準(リバーサル・レート)を超えると金融緩和効果が消え、逆に引き締め効果が生じるという分析だ。
一定以上の金利低下は逆に「引き締め」に
この理論の歴史はまだ浅く、16年に米プリンストン大学のマーカス・ブルネルマイヤー教授が提唱した(The Reversal Interest Rate...