政府会議議事録、経団連会長発言の不記載「改ざんない」 経財相
政府の全世代型社会保障検討会議で、政府方針と異なる意見を述べた有識者の発言の一部が議事録に記載されていなかったとの一部報道を巡り、西村康稔経済財政・再生相は8日の閣議後記者会見で「本人の意図は事前に確認しているので、改ざんなどを行っているわけではない」と語った。
不記載がわかったのは、政府が9月20日に開いた会合での経団連・中西宏明会長の発言。政府は一定の収入がある高齢者の年金を減らす在職老齢年金制度の見直しを検討している。中西氏は会合で「経営者から見ると(働く高齢者の)意欲を減退させることはない」などとして政府方針と異なる見解を示した。
ただ、その後公開された議事録には発言が載っていなかった。「(制度見直しによる年金財政の悪化など)財源の問題もあるので、慎重に検討した方がいい」とする部分だけが掲載された。
中西氏は8日朝、記者団に「そういうことは言った」と不記載の発言がある事実関係を認めた。ただ、経団連は「慎重な検討を求めたという表現で経団連の見解は反映されている」(幹部)と議事録の内容に同意している。加藤勝信厚生労働相は8日の衆院厚労委員会で「内閣官房の責任で対応する」と述べた。