キリンHD、「午後の紅茶」好調で増益確保 1~9月期
キリンホールディングスが7日発表した2019年1~9月期の連結決算(国際会計基準)は、本業のもうけを示す事業利益が前年同期比1%増の1484億円だった。ビール・清涼飲料は書き入れ時の7月に長雨の影響で市場全体が縮小したが、キリンHDは主力ブランド「午後の紅茶」シリーズの新商品が伸びて増益を確保した。
売上高に当たる売上収益は1%増の1兆4378億円。3月に発売した午後の紅茶シリーズの新商品「ザ・マイスターズミルクティー」が好調で、国内の飲料事業の売上収益は1%増の2150億円、事業利益は3%増の212億円だった。
暑さをしのぐためのスポーツドリンクや清涼感のある炭酸飲料に比べて、紅茶飲料は売り上げが天候に左右されにくい面がある。午後の紅茶の7月の販売量は猛暑だった前年を5%上回った。
国内の酒類事業も、主力の「一番搾り」や前年発売の第三のビール「本麒麟」に絞った営業施策を展開し、販売数量を伸ばした。同事業の売上収益は1%増の5107億円、事業利益は9%増の655億円だった。
酒類・飲料大手5社の1~9月期決算が7日に出そろったが、キリンHDを除くと、7月の長雨の影響が色濃かった。ビール3社は消費増税前の駆け込み需要があったが、アサヒグループホールディングスとサッポロホールディングスは飲料事業が足を引っ張った。
コカ・コーラボトラーズジャパンホールディングスが7日に発表した1~9月期の連結決算(国際会計基準)は、事業利益が前年同期比40%減の171億円にとどまった。
サントリー食品インターナショナルの国内飲料事業の営業利益は10%増の440億円だった。これは広告宣伝費を10~12月期に集中投下する方針とした影響が大きく、夏場の7~9月期だけでみれば営業利益は横ばいだった。
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