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パに屈した正統派野球? DH制、セも追随の動き

スポーツライター 浜田昭八

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指名打者(DH)制がにわかに注目されている。今年の日本シリーズでソフトバンクにストレート負けした巨人の原辰徳監督が、10月24日のオーナーへのシーズン報告会で「セ・リーグもDH制を採用すればいい」と提言した。関係者、ファンの間に賛否両論があるが、果たしてその行く方は……。

日本シリーズではこのところ、パ・リーグ球団が7年連続で日本一になっている。セ・パ交流戦でもパ側が10年連続で勝ち越し。この差を生んだ大きな要因に、「投手の打席」という息の抜きどころがない打線との対戦で鍛えられたパ投手の進歩を挙げた。ドラフトのくじ運にも恵まれてパに好投手が多く流れ込んだことも相まって、セ・パの実力差は開く一方というのが、原監督の考えだ。

1965年から73年にわたって巨人が「V9」を達成したころ、セ・パの人気格差は拡大する一方だった。「実力のパ、人気のセ」から「人気も実力もセ」という状態になった。その打開策を模索し、行き着いたのがDH制。投手は打撃練習に時間を割かないため、ほとんど打てない。そんな"貧打者"よりも、守らない打撃専門の強打者を打席へ送る方が面白い打撃戦を期待できると見込み、75年にDH制実施へ踏み切った。

セが先に制度研究するも採用見送り

この制度を研究して実施しようとしたのは、セが先だった。だが、パに先んじられたこともあって「セはリーグの独自性を守る」と、採用を見送った。パが派手な打ち合いの面白さを言いはやしても「野球の尊厳を守り、緻密なゲームを展開しているのは、DH制を採らないこちら」と、悠然と構えた。

だが、90年代になると雲行きが変わった。この制度を使い慣れたパの各チームが、パワーのある外国人選手をDHでうまく起用して成果を上げた。この年代のベストナイン(ベストテンと言うべきか)のDH部門は、外国人が独占した。西武・デストラーデ(90年から3年連続)、近鉄・ブライアント(93、94年)、オリックス・ニール(95、96年)らは得意でない守備から解放され、喜々として打ちまくった。

2000年代に入ると、DHも姿を少し変えた。ベテラン日本人勢はDHになって選手寿命を伸ばした。07、09年にベストDHに選ばれた楽天・山崎武司が好例。35歳だった04年にオリックスを退団して現役引退を決意。郷里の愛知県で解説者になるはずだった。そこへ、05年に参入した新球団楽天からの誘いがあって翻意し、DHでよみがえった。

07年には38歳で本塁打、打点の2冠王になった。40歳になった09年にはフル出場に近い142試合に出て39本塁打、107打点。40歳代で3桁打点を挙げた初の打者になった。技術、パワーがあったからこそだが、DHでなければ達成は難しかっただろう。このあと、11年、42歳のシーズン後、DH制のない古巣中日へ移籍。内野の控え、代打で活躍し、44歳になった13年に引退した。オリックスで引退を決意したあと、9年も働いたのだ。

DHの用兵に変化、アベレージ打者も

ベテランや外国人の大砲をDHで中軸に据える用兵にも変化が見えた。18年のベストDH、日本ハム・近藤健介はアベレージヒッター。栗山英樹監督は「DHは巨砲」にこだわらず、打線の多様化にこの制度を活用した。セ・パ交流戦ではDeNA・ラミレス監督がこれに注目。DH制が使えるパの本拠地で宮崎敏郎らを起用した。広島もDH向きの松山竜平でなく、西川龍馬や会沢翼を使ったことがあった。

もし、DH制がセに定着するようなら、現在の陣容からだれが選ばれるか。来季から実施ということになっていたら、40歳の巨人・阿部慎之助は現役引退を2~3年先延ばしにしただろう。他球団では阪神・福留孝介(42)、糸井嘉男(38)、ヤクルト・雄平(35)、広島・長野久義(34)らが、近く開かれるセの理事会を、固唾をのんで見守るだろう。

巨人側からの提言であり、各球団への根回しも行われているとか。遅かれ早かれ実施されるのではないか。その一方で、負けているときにシステムやルールの変更を提言するのを潔しとしない意見もある。DH制がセ・パの力関係を決定づけているのではない。今こそ根本的にチーム力をつけ、正統派野球の面白さを見せるべきだと言うのだ。

「守りからリズムを整えてこそ打撃がさえる」と、DHを嫌う選手もいる。野球は攻守両面で成り立つ。それなのに、守れず、走れずの選手が打つだけで高給を得るのは不公平という声も聞こえる。両リーグが同じシステムで戦うのが理想的。それでも、「パがDH制を廃止して、足並みをそろえればいい」という声は聞かれない。実施から半世紀近く、「ノーガードの殴り合い」と蔑まれた制度は、球界に根を張ったようだ。

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