高知知事選告示 野党・衆院選にらみ共闘
自公・連敗阻止図る
7日告示された高知県知事選(24日投開票)は次の衆院選をにらむ与野党で全面対決の構図になった。立憲民主、国民民主、共産、社民の野党は共産系の候補を統一候補に掲げ、共闘に弾みをつけたい考えだ。自民、公明両党は現職の後継となる総務省出身の新人を推薦した。自民党は野党統一候補と対決した埼玉、岩手の県知事選に敗れており、連敗の阻止を図る。
知事選は3期12年務めた尾崎正直知事の任期満了に伴うものだ。共産党高知県常任委員の松本顕治氏と、元総務省の浜田省司氏の無所属新人2氏が立候補を届け出た。
松本氏は7月の参院選でも、合区の徳島・高知選挙区で野党統一候補として戦った。立民の枝野幸男代表、国民民主の玉木雄一郎代表、共産党の志位和夫委員長らは6日、都内で会談し、同知事選も協力していくことを確認した。
支援態勢には温度差がある。共産、社民両党は党本部が推薦し、立民、国民民主は県連による推薦にとどめた。結束のため国会で共同会派にいる無所属の広田一氏が選挙対策本部長に就いた。
浜田氏は現職の後継として継続性を強みに訴える。自民党は党本部レベルで応援に力を入れる。告示日の7日に高知市内に入った下村博文選挙対策委員長は記者団に「共産党主導の知事が誕生すれば次の衆院選にも大きく影響する」と訴えた。
党内では、衆院高知2区での公認争いの影響を不安視する見方がある。尾崎知事は党公認で同区で出馬をめざすが、17年衆院選で比例復活した同党の山本有二元農相の地盤でもある。高知県連は尾崎氏の擁立方針を決めているが、混乱を懸念する声が残る。