王子HD、ブラジル・NZで増産に200億円 感熱紙など
王子ホールディングス(HD)は5日、ブラジルとニュージーランド(NZ)での増産に計約200億円を投じると発表した。ブラジルではレシートなどに使う感熱紙の生産能力を増強。NZでは老朽化した段ボール工場を移転し設備を刷新する。海外展開を積極的に進める王子HDは、各地域で成長が見込める事業で攻勢をかける。
ブラジルでは2011年に現地企業から事業買収して設立した王子パペイス・エスペシアイス(サンパウロ州)の生産設備を増強する。投資額は約130億円。これまで5台あった感熱紙の生産設備を1台増やし、年産能力を約15万トンに倍増する。稼働は21年12月を予定する。
中南米ではレジのレシートや物流システムの普及が進んでおり、感熱紙市場は年率5%程度で成長しているという。王子HDはブラジル国内のほか、中南米各国に感熱紙を輸出する。
NZでは段ボール工場に約72億円を投資する。老朽化したクライストチャーチ市の工場を同市内で移転し、自動化機能などを取り入れた生産設備に刷新する。
新工場では旧工場と同等の生産能力を見込む。王子HDはNZに4つの段ボール工場を持つ。食肉や農産物向けで市場拡大を見込む段ボールの需要を取り込む。
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