王子HD、純利益8%増 4~9月 値上げで採算改善
王子ホールディングスが5日発表した2019年4~9月期の連結決算は、純利益が前年同期比8%増の288億円だった。印刷用紙などの値上げが浸透したほか、段ボールの販売量が青果物・通販向けなどで増加した。海外事業の減益を国内で補った。
売上高は微減の7602億円だった。パルプ市況の軟化で海外での外販事業は不振だった。特殊紙など機能材事業では中国や韓国の半導体関連の輸出が減少した。
営業利益は2%増の555億円。段ボールやティッシュペーパーなどの値上げ効果が出た。消費増税前の駆け込み需要について、同日記者会見した武田芳明取締役専務グループ経営委員は「段ボールは単月で10%以上販売が増えた」と話した。
同時にブラジルとニュージーランドの工場で計約200億円を投資すると発表した。ブラジルでは130億円を投じてレシートなどに使う感熱紙の年産能力を約15万トンに倍増する。ニュージーランドでは老朽化した段ボール工場を移転して設備を刷新する。
20年3月期通期見通しは従来予想を据え置いた。連結売上高は前期比3%増の1兆6000億円、純利益は15%増の600億円を見込む。
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