首相、元徴用工で原則論伝える 日韓首脳が接触
【バンコク=秋山裕之】安倍晋三首相は4日、バンコク郊外で韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と約10分間接触した。元徴用工訴訟で日本企業に賠償を求めた韓国大法院(最高裁)判決を巡り、判決が国際法に明確に違反しており韓国側に是正を求める日本の立場を改めて伝えた。
東南アジア諸国連合(ASEAN)と日中韓首脳会議に先立ち、首脳控室で言葉を交わした。安倍首相は文氏の母の死去に弔意を伝え、韓国の李洛淵(イ・ナギョン)首相が10月の「即位礼正殿の儀」に参列したことに謝意を示した。文氏は弔意への謝意とともに、天皇陛下の即位への祝意を表明した。
一方、韓国大統領府によると、両者は「友好的かつ真摯な雰囲気」で話し、両国間の懸案は対話を通じて解決すべきだとの認識で一致したとしている。文氏は外交協議による関係改善を希望し「必要であればより高いレベルでの協議を検討したい」と提案した。安倍氏は「あらゆる可能な方法を通じて解決案を模索するよう努力しよう」と応じたという。