島精機、衣服受注生産の新システム 20年にも導入
コンピューター横編み機大手の島精機製作所は、アパレル企業が店頭で消費者の体形を採寸して島精機の横編み機にデータを送り、ニット衣料などの製品を受注生産できる新システムを開発した。体形に合わせて着丈や袖丈を調整した衣服を製造できる。同社は現在、複数の企業と導入に向けて協議しており、早ければ2020年1月にもサービスを始めたい考えだ。
新システム名は「MADE2FIT」。衣服のサンプルデータをあらかじめサーバーに保存しておき、消費者の体形データに合わせて着丈や袖丈などを調整する。導入するアパレル企業は顧客満足度の高い衣服を提供でき、島精機は横編み機の拡販やシステムの利用料などで収益が期待できる。
島精機は31日、4~9月期決算を発表した。連結最終損益は20億円の赤字(前年同期は33億円の黒字)となった。2020年3月期の業績予想も既に下方修正しており、最終損益は24億円の赤字(前期は38億円の黒字)になる見通しだ。
中国などの顧客企業の設備投資が米中貿易摩擦の影響などで落ち込み、横編み機の売り上げが減少した。決算記者会見で島三博社長は「欧米のアパレル企業は売れのこりを減らす動きを強めている」と指摘。業績改善に向けて、「MADE2FIT」を拡販していく方針を示した。