中古スマホ取引市場で首位交代、iPhone 7から8へ
中古品ネット販売のマーケットエンタープライズ(東京・中央)は2019年10月29日、19年第3四半期(7~9月)における中古スマートフォン端末(iPhone、Androidスマホ)の取引数ランキングを発表した。同ランキングは、中古スマホ端末取引の大手4市場(ヤフオク!、メルカリ、ムスビー、ラクマ)の動向を分析した結果である。
iPhone 8がトップに
中古iPhone市場ではトップの「iPhone 8(au)」をはじめランキングの8位までをiPhone 7とiPhone 8が占めた。同社によれば、全体の取引数は新製品iPhone 11発売前の買い控えなどによって減少したものの、iPhone 7とiPhone 8は新製品の発売と同時に値下げされたことにより、前期(2019年第2四半期)よりも取引数が増加したと分析する。
なお、前期ランキングの首位は前々期(19年第1四半期)からその座をキープしていたiPhone 7だったが、今期はiPhone 8に世代交代した格好だ。
マーケットエンタープライズは、中古iPhone市場におけるiPhone 7とiPhone 8の人気はしばらく続くと見ている。同社中古モバイル市場アナリストの菅野辰則氏は次期(19年第4四半期)の見通しについて「新作のiPhone 11シリーズや値下がりした過去モデルへの機種変更の動きによって全体の取引数が増加する」と予想している。
前期は圏外だったXperia XZ3が首位に
一方の中古Androidスマホ市場のトップは「Xperia XZ3(au)」。前期のランキングでは圏外だったが、取引数が約300%増加したことで、今期は首位に躍り出た。新製品「Xperia 1」の発売に伴い、auオンラインショップで過去モデルの大幅な値下げが行われた結果、定価の6割程度で購入できるようになったXperia XZ3が中古市場に流れ込んだとみている。また、7 月以降の販売解禁によって「HUAWEI P20 lite」が6位にランクインした。
ちなみに前期のランキングにおけるトピックはGoogle Pixel 3の順位が2位に上昇したことだった。この5月から6月にかけて、廉価版「Pixel 3a」「Pixel 3a XL」が新品市場に導入されたことにより、中古市場での存在感が高まったことによるとしている。
今後の動向として同社の菅野アナリストは、「各通信事業者は新機種(2019年冬モデル)からファーウェイ端末の販売見送りを発表した。加えて新作のHUAWEI Mate 30シリーズではグーグル製アプリがインストールできないことを鑑みると、今後中古市場でもファーウェイ端末の流通量は減少していくだろう」とみる。
(日経 xTECH/日経エレクトロニクス 加藤雅浩)
[日経 xTECH 2019年10月30日掲載]
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