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ボビー・ジョーンズ 永遠のスコアメイク術(上)

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 1930年に28歳の若さで全米・全英オープン、全米・全英アマを制し、史上初めて年間グランドスラムを達成し、引退したボビー・ジョーンズ。球聖と呼ばれた彼は34年にマスターズ・トーナメントを創設した。筆者はジョーンズの生地を訪ね、彼の孫や彼のキャディーをした人、また研究者らに取材、多くの逸話を聞き出した。その話には、ジョーンズが天才と呼ばれながら長い間メジャートーナメントに勝てなかったことや、ライバルのウォルター・へーゲンに辛酸をなめさせられたことなどを、精神的、技術的にレベルアップして乗り越えてきたことがわかった。そして、それらの事柄は、多くの悩めるアマチュアゴルファーにとっての福音になっている。今回はジョーンズがコースで悔いなくラウンドするために会得した事柄をえりすぐって紹介してみたい。(日本経済新聞出版社「書斎のゴルフ VOL.44」から)
ジョーンズの教え その1
ゴルフは「オールドマンパー」が相手、彼と長い旅をする忍耐が必要なのだ

ジョーンズは02年、米ジョージア州アトランタ郊外にあるイーストレイクGCの脇にあった家に生まれ、5歳のときから庭でゴルフ遊びをするようになった。

成長するやコースでプレーするようになり、地元ジョージア州の大会で大人たちを破って優勝するなど活躍、14歳で初めてメジャートーナメント、全米アマに出場した。ペンシルベニア州メリオンGCで開催されたが、天才少年の名は大会前からとどろき渡っていた。

この大会でジョーンズは準決勝で敗れてしまったが、近いうちには勝利をものにできるだろうと思われた。ところが、それから7年間もメジャー大会に破れ続けたのだ。

「彼は最高のショットメーカーだが、勝つことはできない」

そう揶揄(やゆ)されたのはジョーンズが安全なゴルフを嫌い、かんしゃく持ちでもあったからだ。19歳で出場した全英オープンでは大叩(たた)きの末にスコアカードを破り捨てて棄権、同年の全米アマではミスショットからクラブを叩きつけて、そのクラブが女性に当たり負傷させている。出場停止処分となったジョーンズは大いに反省、ゴルフには忍耐が必要だと痛感するのである。

「ゴルフとは我慢することだ」

21歳になった23年、インウッドCCで行われた全米オープンにようやく優勝、徐々に戦うべき相手が誰だかわかってくる。

「戦う相手は『オールドマンパー』である。常にパーであがれるゴルフ名人。その名人、オールドマンパーと長い戦いの旅をしていく忍耐が必要なのだ」

こうしてジョーンズはパーを基準としたゴルフを展開、破竹の勢いで勝利をものにしていく。全米オープン4勝、全米アマ5勝、全英オープン3勝、全英アマ1勝。30年、前人未到のグラウンドスラムを達成し、28歳の若さで引退してしまう。

ジョーンズにとってのオールドマンパーは、アベレージゴルファーにとっては「オールドマンボギー」である。ボギーおじさんを相手に忍耐強くプレーし、勝ち抜くことが肝心なのである。

ジョーンズの教え その2
己の実力を知り、謙虚に忍耐強くプレーする

いくら上手なプレーヤーでも完璧なショットを打つことはほとんどない。誤差は必ずあるといってよい。

ジョーンズは言う。

「子供の頃に上手な大人を負かしたからといって、周囲は私を天才少年のようにたたえたが、まったくそんなことはなかった。どんなに上手なゴルファーでも、ゴルフというスポーツには完璧はあり得ない。ミスはするし、完璧に思えたショットでも誤差は出る。つまり天才などゴルフではあり得ないし、そんなことを思ったら不遜である」

ジョーンズは21歳になるまでメジャータイトルを手にできなかったことでそのことを痛感するのだ。

「ゴルフでは自然を相手にするのだから、突然突風が吹いてとんでもないところにボールが飛んでしまうことだってある。ナイスショットがディボット跡の中にすっぽりとはまり込んでしまうこともある。ラインに乗ったパットがスパイクマークによって外れてしまうことだってある」

天才だったとしても、予期しえないどうしようもないことが起きるのがゴルフなのである。天才も天災に勝ることはできない。

「ゴルフでは完璧はないのだから、謙虚にプレーすることである。つまり、安全にプレーすることが一番なのだ。例えば、ドッグレッグホールではショートカットは狙わない。バンカーのすぐ上にあるピンは狙わない。一打一打、大事に丁寧にプレーする。ストロークプレーであれば、大叩きは簡単には取り返せないのだから、なおさら慎重にプレーすることである」

さらにゴルフでは謙虚にプレーする意味が問われる。

「自分の実力を思い知り、実力以上のプレーはしないことが肝心だ。実力以上のプレーは、無謀なプレーになる。たまに成功することがあったとしても常に成功することはありえない。だから実力相応のプレーを心がける。そうして忍耐強くプレーを続け、チャンスが巡ってきたときだけ果敢に攻める。バーディーを狙いにいくのだ」

ゴルフとは「慎重でありながらも果敢であれ!」なのである。

ジョーンズの教え その3
最初に叩いたときこそミスを使い果たしたと思え

謙虚なゴルフをすることが大事だといっても、スタートホールから叩いてしまうとそうした気持ちも吹っ飛んでしまいやすい。

ジョーンズは言う。

「出だしでつまずいてしまうと、忍耐強くチャンスを待つということをすっかり忘れてしまいかねない。失ったストロークをすぐに取り返したいと躍起になってしまう。その結果、自分の実力以上のことをやろうとする。無謀なプレーをし始めてしまうのだ。その結果はますますミスを重ね、取り返しのつかないことになってしまう」

ついには気持ちがぶち切れて、捨て鉢になり、ベストスコアを望んでいたのに、ワーストスコアを喫してしまうことになってしまうのである。

「こうしたことになってしまったゴルファーを何度も目撃しているのに、自分を振り返るといっこうに教訓として受け止めておらず、自らもあれよあれよという間にそうした自制心のないゴルフになってしまう。わかっていても止められないからゴルフというスポーツは恐ろしい。どんどん泥沼にはまってしまうのがゴルフなのである」

だからこそ、最初が悪かったときにどう対処したらよいかをゲームが始まる前に考えておく必要がある。良いゴルフばかり望んでプレーをスタートするから茫然(ぼうぜん)自失してしまうのだ。

「最初が悪かったときは、まだまだ先は長いと考えておくことです。だから慌てない。こつこつとプレーしてどこかで悪い流れを止め、徐々に良い流れにしていくことです」

慌てず騒がず、落胆せず、粘り強くプレーする。他に方法はないのであり、ゴルフは18ホールプレーし続けなくてはならないのだ。

「最初に叩いたら、もうミスは使い切ってしまったと思うこと。もうこれ以上の悪いことは起きないと開き直ることです。そして、最初に叩くほうが最後に叩くより、よっぽど結果が良くなるというゴルフの不思議な法則を信じることです」

最初に叩くとがっかりするのは確か。しかし、それを忘れて楽しくゴルフをやることなのだ。

(次回は11月9日に掲載予定。文:本條強、イラスト:サイトウ・トモミ)

BOBBY JONES 本名はロバート・タイアー・ジョーンズ。1902年生まれ、71年没。14歳で全米アマに初出場するが、メジャー初優勝は23年の全米オープン。全米オープン4度優勝、全米アマ5度優勝、全英オープン3度優勝、全英アマ1度優勝。30年に史上初のグランドスラムを達成し、28歳の若さで引退。その後、オーガスタナショナルGCを造り、マスターズ・トーナメントを開催。
「書斎のゴルフ」公式ホームページはこちら。http://syosainogolf.com/index.html

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