セブンが実験、期限迫った食品購入でポイント付与
セブン―イレブン・ジャパンは30日から、北海道と四国4県の計約1400店で、販売期限が迫ったおにぎりや弁当などを電子マネー「nanaco(ナナコ)」で購入した利用客に対し、5%分のポイントを付与する実験を始めた。食べられるのに捨てられる「食品ロス」削減につなげる。12月31日まで続けて効果を検証し、2020年春の全国拡大を目指す。
セブンは消費期限の2時間前を販売期限に設定している。四国4県では販売期限の3時間前からおにぎりや弁当、サンドイッチなど約150種類を対象に、税抜き価格の5%分のポイントをその場で付与する。北海道では販売期限の5時間前からの設定で、サラダやスイーツなども加えて計約300種類を対象にする。時間が来たら店舗従業員が商品にシールを貼って周知する。
コンビニエンスストアでは人手不足に伴う人件費高騰でフランチャイズチェーン(FC)加盟店の収益が悪化している。セブンでは、仕入れた商品が売れ残った場合、廃棄に伴って生じる損失は大部分を加盟店側が負担する。ポイント付与により利用客の購買につながれば廃棄を減らすことができる。ポイント原資は本部が負担し、加盟店の支援にもつながる。
昨年12月以降、FC本部が運営する直営店延べ40店で先行して実験したところ、廃棄を平均10%以上削減できる効果があったという。今回、地域を限定して集中的に実験することで認知度を高め、売り上げや廃棄、店舗作業に与える影響などを検証する。
30日に徳島県庁を訪れた古屋一樹会長は「食品ロスは大きな問題。テストでなるべく良い結果を出し、全国に展開していきたい」と話した。
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