福岡市「ハンコレス」手続き過半 転出入届もネットで
福岡市は30日、行政手続きに必要な申請書への押印を不要にする「ハンコレス化」が過半に達したと発表した。インターネット経由で申し込める手続きのオンライン化も進め、今後は転出入・転居届などにも対応する。市役所へ出向く手間や待ち時間を減らし、利便性を高める狙いがある。
現在約4200種類ある申請書類のうち、55%にあたる約2300種類を押印不要とした。見直したのは私立幼稚園の保育料等減免調書(年間約2万件取り扱い)や教育・保育給付認定申請書(同約1万2千件)など。今後は軽自動車税減免申請書なども印鑑不要とする方針だ。
手続きのオンライン化では今年度新たに70の手続きを追加する予定で、9月末までに葬祭場利用予約や教員採用候補者選考試験申し込みなど50を対応済みとしている。2020年度末までに280種類(年間計650万件)をオンライン化する予定だ。
転出入・転居届の受理は国が定めた「対面の原則」があるため、必要書類の提出をオンライン化し、申請者が市役所に出向いて本人確認だけをする形に改める。高島宗一郎市長は「行政の生産性を高め、役所に来てからの時間を最短にしたい」と話した。