緒方氏「難民支援の基礎作った」 国連事務総長が追悼
【ニューヨーク=大島有美子】国連のグテレス事務総長は29日、緒方貞子元国連難民高等弁務官の死去を受けて追悼の声明を出し、「緒方氏は信念を持ち、情け深く、実践的に、難民支援の基礎を作った」とその功績をたたえた。同氏の死に深い悲しみを表すとともに「果敢に人道支援と政治的課題に取り組んだ」と賛辞を送った。
グテレス氏は「緒方氏の統率力と熟練した仕事のおかげで、何百万もの人がより良い生活を送っている」と強調。緒方氏が弁務官を退官した数年後にグテレス氏自身がその成果を目の当たりにしたエピソードを紹介し、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の活動により「(難民として)祖国からの移住を余儀なくされた人々も、いい仕事に就けている」と述べた。
さらに緒方氏が国連難民高等弁務官を務めた初の女性として、「女性に対する暴力を問題視しただけでなく、その解決のために女性が果たすべき役割についても焦点を当てた」と評価した。