日本の4番がメジャー挑戦 筒香、パワー通用するか
日本の主砲がプロ10年の節目に海を渡る決断をした。29日、DeNAの筒香嘉智(27)がポスティングシステムを利用して米大リーグに挑戦することを正式に表明。横浜市内で開いた記者会見で「小さい頃からの夢。そこへいって勝負したいと決断した」と語った。
2017年ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で4番を務めた筒香は、スラッガーとして「世界一レベルの高い場所」に挑むことになる。その原点に挙げたのがイチローや松井秀喜の活躍だった。「テレビで見て憧れがだんだん強くなった」。自らの意向を球団に伝えたのは昨年の契約更改。主将の流出はチームにとって痛手だが、球団は地元で育ち支えてくれた功労者の希望を尊重し、容認した。
これまでドミニカ共和国で武者修行し、日本代表として国際試合で世界と戦ってきたキャリアが筒香の骨格を成す。野球を極めようとしてきた経験は、今回の決断にも影響しているだろう。先人の挑戦をみても米国で適応し、強打の外野手として結果を出すのは簡単ではないが、夢への思いを募らせていた。
移籍が実現すれば厳しい環境での競争にさらされる。パワー自慢がそろう米国で埋もれないためには、生きる道を探さなければいけない。本人も「守備も走塁も全部大事。どうなるか正直分からないが、自分の持っている力を最大限出す準備をして、思い切って挑戦したい」と覚悟する。
シーズン終了後には現地でポストシーズンを観戦。「素晴らしい雰囲気だった」と思いをはせた。記者会見で終始崩さなかった表情には、膨らむ期待と強い決意がにじんでいた。(渡辺岳史)