JR九州の唐池会長「訪日外国人、まだまだ増える」
JR九州の唐池恒二会長は29日、第21回日経フォーラム「世界経営者会議」で講演し、「インバウンド(訪日外国人客)はまだまだ増える余地がある」としてリピーターを増やすための施策に官民挙げて取り組むべきだと強調した。単なる観光地巡りではなく、旅行者が非日常の体験をできる「体験型観光」などを強化する必要があるとした。
九州への観光客は日韓関係の悪化などから現状ではやや陰りが見られるものの、「例えば中国では13億人のうち、ごく一部しか日本に来ておらず、増加の余地は大きい」と話した。
同氏は「観光業で質的な変化が起きている」と指摘。インバウンド拡大のカギとして「(地域の伝統行事や神社仏閣など)文化や歴史を磨く努力が必要だ」と話した。
また「災害時の多言語案内など外国語対応を進める必要がある」と話し、訪日客の受け入れ体制整備が急務との見方を示した。
JR九州は1987年の民営化後、赤字の鉄道事業を補完するため、飲食店やドラッグストアの経営、ホテル開発といった事業の多角化を進めてきた。2013年には1人数十万円もする豪華な観光列車「ななつ星」の運行を始め、当初は予約が30倍の人気となった。
日本経済新聞社はスイスのビジネススクール「IMD」と共同で11月7、8日に東京都内で日経フォーラム第25回「世界経営者会議」を開催します。テーマは「技術新時代のリーダーシップ」。オンラインでも有料配信します。
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