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八村デビュー舞台裏で NBAが絶好機をスルー?

スポーツライター 丹羽政善

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大学生の頃、渋谷のアパレルショップでアルバイトをしていた。ゴールデンウイークを前にして、店の仕入れ担当者が売れ筋のTシャツ、トレーナーを通常より多めに発注した。地方から東京に遊びに来る客を見込んでのことだ。それはある程度想定通りとなったものの、誤算があった。ゴールデンウイーク初日には、そうした人気商品がほぼ売り切れてしまったのである。売り上げ目標こそ達成したが、見事に商機を逃した。

幅広くメディアを受け入れる米プロスポーツ

米プロバスケットボールNBAも今回、絶好の機会を逸してしまったかもしれない。23日、八村塁(ウィザーズ)がダラスでNBAデビュー。スタメン出場すると、14得点、10リバウンドをマークし、期待を裏切らなかった。一方、裏では想定とは異なることも。6月に行われたNBAドラフトの状況を考えれば50~60人、いやもっと多くの日本人メディアが取材に来てもおかしくなかったが、23日午前の練習に集まった日本人メディアの数はせいぜい30人ほど。試合も同程度だった。

実は、インターナショナルメディアに割り当てられた枠を増やして対応したものの、それでも記者席のスペースが少ないことなどを理由にNBAが取材パスの発行枚数を制限したのである。日本から取材に行く予定だった人の中には、取材パスがおりず渡米を断念した人もいた。

正直、こういうケースをあまり米プロスポーツの世界では聞いたことがなかった。インターネットメディアに関しては今も制限がある。個人ブログとの境目が曖昧だからだ。しかし、これまでに取材実績のあるメディアまではじかれるとは……。

プロアマ問わず、アメリカではどのスポーツ団体もメディアに取り上げられることをパブリシティーととらえる。もちろん、幅広く取材者を受け入れることで、ネガティブな報道をされるリスクも伴うが、原則的にはより多くの人の目に情報が届くことで、ひいてはそれが人気やビジネスの拡大に結びつくと考えられている。だからこそ、メディアに記者席などのスペースを提供し、取材の便宜を図る。メディアの側としても、それを利用して読者や視聴者により良いコンテンツを提供できるなら、そこに"WIN-WIN"の関係が生まれる。

もちろん、そんなことは指摘されるまでもなく知りつくしているであろうNBAなのに、今回その機会を制限し、盛り上がりに水を差したことが不思議でならない。なにも100や200を超える取材申請があったわけではないのに。

もっとも、NBAに非があるかといえば、そうともいえない。というのも、NBAにしても受け入れ先となったマーベリックスにしても、日本のメディアが取材に殺到するなんてことは、過去になかったことなのである。

NBAジャパンのオフィスは香港に統合

2004年に田臥勇太(宇都宮ブレックス)がサンズでデビューしたときにはやはり、似たような状況となったが、NBAのニューヨーク本部で働いていた日本人広報を応援で派遣して、対応にあたった。よって田臥自身は控えではあったものの、日本で大きくNBAのことが報じられた。

それも15年も前のこと。NBAにも当時を知る人は少ない。アドバイスできる立場にあったNBAジャパンも香港オフィスに統合されて久しい。それが見通しの甘さを招いた可能性はあるが、ドラフトのときで40~50人の日本人メディアがいたはず。今回、それを超える数の取材申請があることは十分に想定できたのではないか。八村のデビューは、それぐらい歴史的な日だったのである。

その点、大リーグはこなれている。大谷翔平(エンゼルス)がエンゼルスと契約すると、昨年のキャンプ初日には日本メディアだけでなく、アメリカの主要メディアも取材に駆けつけた。あのときエンゼルスはキャンプ地に隣接するホテルの大広間を貸し切って会見を行っている。また、キャンプ地の記者席には全員が入れないので、仮設テントを設け、ワークスペースを用意。レンジャーズもダルビッシュ有(現カブス)が入団した年には、キャンプ地の横にある市営プールの会議室を借り切って、臨時のワークルームとした。

対戦チームにも免疫ができている。大谷のデビュー戦はオークランドだったが、アスレチックスの広報は事前にエンゼルスの広報と連携を取りながら取材に訪れる人数を早々に把握。記者席に入れない人には、客席のチケットを確保して対応した。

もちろんそれは、野茂英雄、イチロー、松井秀喜、松坂大輔らが来たときの経験があってこそだが、彼らのときでも、日本語のできる広報担当者をあらかじめ雇って対応するなど、事前に手を打った。

そもそも、NBAやマーベリックスが、記者席に入りきれない数のメディアに対応ができない、というわけでもない。

ホスピタリティーでは大リーグを上回るが…

マーベリックスは、オールスターゲーム(10年)を主催した経験もあり、NBAファイナル(11年)でも世界中からやってきたメディアを巧みにさばいた。大リーグとNBAのビッグイベントをそれぞれ取材した経験からいえば、ワークスペースの確保、Wi-Fiの整備、メディア用バスの手配といった細かいところまで含めると、ホスピタリティーの面では、NBAの方が大リーグの数年先を行っている。

だからこそ今回、首をひねりたくなった。八村というキラーコンテンツに対して、まさかの取材制限。なんとももったいない。

ところで、この話をやはり大リーグの取材環境も知っている米記者としていたら、こう言って笑われた。「日本のメディアは、まだお金を持っているんだな」

部数の激減で、米新聞社はどこも出張経費が削られている。米スポーツメディア最大手のESPNとて、ケーブルテレビ加入者の減少で大幅な経費削減を迫られている。そんな彼らにはそう映ったのかもしれないが、それは隣の芝が青く見えているだけかも知れない。

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