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出産後に覚醒、子供と五輪へ 陸上100障害・寺田

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女性の社会進出とともに、スポーツ界でも女性アスリートの比率が高まっている。来年の東京五輪では全参加選手に占める女子の比率が過去最高の5割に迫る見通しだが、結婚、出産を経て育児をしながら競技を続ける「ママさんアスリート」となるとまだ多くない。家族の支えや環境整備が必要になる中で苦労もいとわず「母は強し」を地でいく姿は頼もしい。

競技復帰後に日本新記録

10月上旬のドーハ。陸上女子100メートル障害の寺田明日香(29、パソナグループ)は10年ぶりに世界選手権のスタートラインに立っていた。「圧倒的に速い人たちの中でどれだけ自分を表現できるかと楽しみ」と語った舞台。予選敗退に終わったが、6年ぶりのレース復帰から半年で世界に挑める位置まで戻ってきた。

2008年から日本選手権で3連覇した実力者は12年ロンドン五輪出場を逃し、翌年に引退。結婚、出産を経て7人制ラグビーにも挑戦した。再びトラックに戻ってきたのは、ラグビーのトレーニングで「走りが研ぎ澄まされて足が速くなっている感覚があった」ことに加え、まな娘の果緒ちゃん(5)に「東京五輪で活躍する姿を見せたかった」から。大好きな陸上への火はまだ消えていなかった。

実際、ママになって"覚醒"した。8月に10年ぶりに自己ベストを更新する13秒00の日本タイ記録を出し、9月には日本選手で初めて「13秒の壁」を破る12秒97の日本新。芝のグラウンドを走るラグビーで自身の特徴である地面を捉える力が磨かれ、体の動かし方や筋肉の使い方がわかり始めた。夫の佐藤峻一さんは「『人が向かってくるラグビーと違ってハードルは怖くない』とよく言っていますよ」と笑う。

夫ら家族のサポートは不可欠

海外勢をみればアリソン・フェリックス(米国)やシェリーアン・フレーザープライス(ジャマイカ)がママとして復帰しているが、スプリントの世界で再び活躍するには難しさも伴う。寺田が2度目の陸上人生で描く成長曲線も、家族や周囲のサポートがあってこそ。所属先のパソナの社内保育園への送り迎えは峻一さんが担当。家事も分担している。週4回の練習は以前より量が少ないが、時間が限られているぶん、集中力や練習の強度が上がったという。

逆に自宅では頭のスイッチを入れ替える。そのメリハリ、感情のコントロールが競技でもプラスに働いている。「子どもがいるから新しい考え方ができ、時間の使い方も考えられるようになった」。大会に駆けつけてくれる家族の存在は「プラスでしかない」。果緒ちゃんは一番厳しい"コーチ"でもあり、時には「ママの足が遅いから悪い」とも。「なかなかそう言ってくれる人はいないからありがたい」

当面の目標は東京五輪の参加標準記録である12秒84を出すことだ。子を持つアスリートとしての使命感も宿し、「ママでも進化できることをスポーツ以外の方にも言いたい」と語る。家族で目指す五輪の夢。それは後に続くであろう「ママさんアスリート」への道しるべをつくる挑戦でもある。

ロンドン五輪バレー銅・荒木、セーリング・吉田も

陸上の寺田以外にも出産を経て現役を続ける女性アスリートの活躍が目立っている。自国開催の五輪・パラリンピック出場という目標が選手自身や支える家族の背中を押しているが、スポーツ界全体で支援する体制整備はまだ緒に就いたばかりで課題も少なくない。

セーリング女子470級の吉田愛(38、ベネッセ)は8月に開催された世界選手権で銀メダルを獲得し、東京五輪代表に決まった。コーチは12年12月に結婚したロンドン五輪代表の雄悟氏。五輪会場でもある神奈川・江の島で開催された大会には、17年6月に出産した琉良(るい)君も応援に駆けつけ、家族で五輪決定を喜んだ。

セーリングの大会は約1週間にわたって行われる。順位はめまぐるしく変動し、気象条件にも影響を受ける。ミスを引きずることもあるが、そんなときに子供の姿に気づかされることが多いという。「遠征続きで色々な環境で振り回しているのに、いつもニコニコしている。自分も笑顔でいればどうにかなると、琉良から学んでいる」

バレーボール女子の荒木絵里香(35、トヨタ車体)は9月に行われたワールドカップで代表入り、チームただ1人の30代として大会を通じて活躍した。

13年6月にラグビー元日本代表の四宮洋平氏と結婚、14年1月に長女を出産した。かつてイタリアリーグでもプレーした荒木は、海外選手にも影響を受けたという。「試合会場に子供を連れてくる姿を見て、憧れる部分もあった。様々な選択肢があるのがいい」

3大会連続の五輪出場をめざすフェンシング女子エペの佐藤希望(33、大垣共立銀行)は13年に長男、17年に次男を出産した。今年から国際舞台に復帰し、6月のアジア選手権では日本勢最高の8強まで勝ち残った。

2人の子育てをしながら現役を続ける理由について「やっぱり東京五輪。(8位入賞した)リオデジャネイロは遠くて長男も連れて行けなかったけど、今度は現場で見せることができる」。福井の実家の協力も得ながら、長いと1カ月にも及ぶ海外転戦で出場権獲得に奮闘する。

(渡辺岳史、山口大介)

 国もママさんアスリートの支援に力を入れている。13年から始まった委託事業「女性アスリートの育成・支援プロジェクト」で、事業を受託する東京都北区の国立スポーツ科学センター(JISS)はトレーナー、栄養士、心理カウンセラーらが妊娠期・産後期を通じてサポートする。
 「選手が復帰を目指す大会から逆算してトレーニング計画を考える。競技の種類や妊娠経過の影響も大きく、一人ひとりメニューは違う」とJISSトレーニング指導員の古屋あゆみさん。セーリングの吉田は妊娠時から古屋さんのトレーニング指導を受け、出産後4カ月で大会復帰した。
 JISSに隣接する味の素ナショナルトレーニングセンターには託児所が常設され、フェンシングの佐藤らも子供を預けて練習に打ち込む。遠征や合宿の際に協力者に払う謝金や交通費の補助制度の他、悩み相談や情報共有を目的としたサークルも組織されている。
 ただ、地方の選手はこの支援を恒常的に受けるのは難しい。独自に支援を整備している競技団体もほとんどない。出産で強化指定選手などを外れた場合、「無職」とみなされて認可保育園には子供を預けることもままならないケースもある。家族や周囲の理解に頼っているのが現実で、乗り越えるべき課題は多い。

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