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首相補佐官「安倍1強」支える

海外では厚遇 米では閣僚級

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安倍晋三首相の政権運営が「安倍1強」といわれるようになって久しいが、その強力な首相官邸主導の一翼を担うのが計5人の首相補佐官だ。9月の内閣改造では政務の首相秘書官である今井尚哉氏が首相補佐官を兼務すると発表され、補佐官ポストの役割が改めて注目されている。

議員からは秋葉賢也、木原稔両衆院議員が起用され、官僚出身者では今井氏のほか、経済産業省出身の長谷川栄一氏や国土交通省出身の和泉洋人氏が引き続き務める。

英語では「Special advisor」との訳を充てる。米国の大統領首席補佐官の「Chief of staff」や国家安全保障担当大統領補佐官の「National security advisor」と似た語感から外国で厚遇されやすいという。

今井氏の補佐官起用にも肩書の海外での印象に配慮したとの見方がある。政務の首相秘書官といえば首相の側近中の側近。補佐官に起用しなくても永田町や霞が関では無視できない存在だ。ただ英訳は「Executive secretary」で事務官の印象を拭えない。

今井氏は北方領土問題を含むロシアとの平和条約締結交渉などに関わり海外の要人と協議する機会も多い。肩書を補佐官に引き上げれば、今井氏を窓口とした対外交渉力の向上が期待できる。

首相補佐官は内閣法が定める役職で定員は5人以内。役割は内閣法第22条に「首相の命を受け、国家として戦略的に推進すべき基本的な施策その他の内閣の重要政策のうち特定のものにかかる首相の行う企画および立案について首相を補佐する」とあるだけで具体的な権限は規定されていない。

首相が任命時に「国家安保担当」や「少子高齢化対策担当」などの担務を告げる。今井氏は「政策企画の総括担当」で内政、外交の重要課題全般に関わる。

国家公務員法の規定で特別職の国家公務員とされ、待遇は特別職給与法で決まる。期末手当などを含む年間給与額は官房副長官補らと同じ約2357万円で、各省の次官級とほぼ同等だ。

今井氏は2012年12月の第2次安倍政権発足から6年半以上にわたって秘書官を務めてきたが、待遇は課長~局長級にとどまっていた。出身の経産省では同期の嶋田隆氏がすでに局長どころか次官にも就き、退官している。

もともと概念自体は1964年の第1次臨時行政調査会の答申で「内閣補佐官」制度が提唱されていた。93年の細川護熙内閣では田中秀征氏が「首相特別補佐」に就いた。当時は法的根拠のない首相の私的な補佐役だったが、官邸内に執務室を持ち常駐した。

96年に橋本龍太郎内閣が官邸強化の一環で内閣法を改正し「首相補佐官」の法的根拠を明記した。定員は当初の3人から01年に5人に増えた。

これまで補佐官ポストの役割は、あまり注目されてこなかった。閣僚になれなかった議員を処遇するポストなどとして扱われることもあったためだ。

そうした見方も変わってきている。9月まで国家安保担当の補佐官を務めた薗浦健太郎衆院議員の場合、就任して約2年の間に80を超える国・地域を訪れ、補佐官の肩書を活用して相手国の首脳・閣僚級と相次ぎ会談した。

首相や外相が任期中に訪問できる外国の数は限られる。薗浦氏は欧米だけでなく中東や南太平洋の島しょ国にも訪れ首脳外交の隙間を埋めた。

薗浦氏は折に触れて官邸内で首相と面会し、出身派閥の麻生派には官邸と派をつなぐパイプでもあった。今回の内閣改造で竹下派が秋葉、木原両氏を補佐官に送り込んだのも官邸との橋渡し役への期待がにじむ。

日本の制度は米国の大統領補佐官をモデルの一つとする。40年代にトルーマン大統領が制度化した。職務権限などに法的規定はなく、大統領から直接任命されて議会の承認も要らない。日本とは異なり、米国では閣僚級として扱われる。特に、大統領首席補佐官は「ホワイトハウスの影のナンバー2」ともいわれ、日本の官房長官のイメージに近い。

国家安保担当の大統領補佐官もいる。国防や外交全般にわたって幅広い助言や政策立案をする。国家安全保障会議(NSC)に出席し会議を取り仕切る役割も果たす。ニクソン政権でのキッシンジャー氏やカーター政権のブレジンスキー氏らが有名だ。

日米の補佐官と、首相や大統領との距離感の違いは執務室の場所からも分かる。日本の場合、首相の執務室が官邸5階の南側なのに対し、補佐官の執務室は4階北側に並ぶ。首相との面会には原則アポイントメントが要る。大統領補佐官の部屋はオーバルオフィスと呼ばれる大統領執務室があるホワイトハウスの「ウエストウイング」内で、大統領執務室と同じ1階にある。

もっとも細川内閣で首相特別補佐を務めた田中氏は首相補佐官のあり方について「首相の思想や政策の助言役であるべきで、首相の権力行使の補佐が役割だと誤解すべきではない。特に官僚出身者が権力を補佐するなら官房副長官補など行政の意思決定ラインに入るべきだ」と指摘する。

■「首相の分身」役割明確に

国際情勢の目まぐるしい変化に対応するため政策立案にスピードアップが求められ、以前より首相官邸で処理すべき課題も増えた。官僚でも閣僚でもない首相補佐官の柔軟な活用は官邸を肥大化させることなく官邸主導を維持するカギとなる。

ただ日本の政策決定過程で補佐官の立ち位置は曖昧だ。役割の範囲が法的に明示されていないため、権限が際限なく広がるとの懸念もある。制度を巡る問題は米国の大統領補佐官もさほど変わらない。要は運用次第だ。重要なのは首相がその時々に任命する補佐官に何を求めているのか、役割の範囲を明確に示すことではないか。

米国では1960年代にジョンソン大統領が周囲の反対を押し切って運輸省を創設した際、担当するキャリファーノ特別補佐官の名を挙げ「キャリファーノの言葉は私の声だ」と明言したという。「首相の分身」に権限の範囲を示さないと起用される側も動きづらい場合もある。(島田学)

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