ベトナムに流れ込む 韓流VCマネー
韓国のベンチャーキャピタル(VC)が東南アジアで投資活動を強化している。未来アセット・ネイバー・アジア・グロース・ファンドがインドネシアのインターネット通販大手ブカラパックに5千万ドル(約54億円)を出資するなどの大規模な投資以外に、域内の創業期のスタートアップにも積極的に資金を投じている。
コリア・インベストメント・パートナーズ(KIP)がシンガポールのフィンテック関連スタートアップ、C88ファイナンシャル・テクノロジーズに資金を投じた。ソフトバンク系のファンドはシンガポールの中古車取引サイト、カーロに出資するなど、投資先の業種も多岐にわたる。
韓国系の投資会社は特にベトナムとインドネシア企業への出資を増やしている。シンガポールのセント・ベンチャーズとベトナムに拠点を持つESPキャピタルの調査によると、ベトナムで2019年上半期に活動しているVCファンドのうち、韓国系が13とシンガポール系の11を上回り最多になった。
韓国VCマネーが東南アジアに流入している背景について、韓国に拠点を持つアクセス・ベンチャーズの投資責任者、チャールズ・リム氏は、東南アジアのスタートアップ企業の合併・買収や株式上場による株式売却の環境が改善していることがあると指摘する。
同氏はディールストリートアジアの取材に対し「潜在成長率から見ると東南アジアのネット市場は最大規模で、米シリコンバレーのネット大手などが東南アジアにあるスタートアップの買収を真剣に検討し始めている」と話した。
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