ノーベル経済学賞にMITのバナジー氏ら 貧困研究
スウェーデン王立科学アカデミーは14日、2019年のノーベル経済学賞をインド出身で米マサチューセッツ工科大(MIT)教授のアビジッド・バナジー氏、フランス出身でMIT教授のエステール・デュフロ氏、米国出身で米ハーバード大教授のマイケル・クレマー氏の3氏に授与すると発表した。授賞理由は「世界的な貧困の緩和への貢献」。賞金900万スウェーデンクローナ(約9900万円)を分け合う。
バナジー氏はアジアからの受賞者としては1998年のアマルティア・セン氏に続き2人目となる。デュフロ氏は46歳で、史上最年少の受賞となる。また女性として2009年のエリノア・オストロム氏に続いて2人目の受賞。
クレマー氏を含めた3氏は貧困の具体的な解決手段を提唱した。注目したのは学校教育や子どもの公衆衛生の改善だ。1990年代半ばからケニア西部で実際に子どもの成績を改善するなど「小さくても実践的な問題に取り組んだ」(同アカデミー)ことが評価を受けた。
研究成果は現実の貧困問題にも応用された。同アカデミーによると、インドでは500万人以上が、受賞者らによる教育プログラムの成果を享受したという。
2023年のノーベル賞発表は10月2日(月)の生理学・医学賞からスタート。物理学賞は3日(火)、化学賞は4日(水)、文学賞は5日(木)、平和賞は6日(金)、経済学賞は9日(月)と続きました。