韓国、李首相が即位の礼に出席 大統領訪日は見送り
【ソウル=細川幸太郎】韓国政府は13日、天皇陛下が即位を国内外に宣明する22日の「即位礼正殿の儀」に李洛淵(イ・ナギョン)首相を派遣すると発表した。22~24日の日程で訪日し、23日には安倍晋三首相夫妻主催の晩さん会に出席する。日本の経済人とも会談する予定だ。文在寅(ムン・ジェイン)大統領の訪日は見送る。
1990年の平成への代替わり時の即位礼正殿の儀に当時の姜英勲(カン・ヨンフン)首相を派遣した前例に倣った。
李氏は国会議員時代に韓日議員連盟の幹事長を務めるなど政権内では数少ない「知日派」として知られる。韓国大法院(最高裁)が2018年10月末に日本企業に元徴用工らへの賠償を命じる判決を出した後の対応策の検討を担った。
韓国側によると安倍首相との会談も調整しているという。韓国政府内では一時、文大統領が式典に参列する案もあった。
元徴用工を巡る判決に関し、日本は元徴用工問題の完全解決を約束した1965年の日韓請求権協定にのっとった対応を求めている。文大統領は「司法判断を尊重する」との立場で、溝は埋まっていない。6月の20カ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)や9月の国連総会に合わせた日韓首脳会談も見送られた。
元徴用工問題をめぐり両国関係は悪化し続けている。日本政府は7月には韓国への輸出管理を厳格化し、韓国政府は8月に日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を決めた。