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NFLのジレンマ 迫力のラグビーW杯、自分らは…

スポーツライター 丹羽政善

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センチュリーリンク・フィールドの客席がライトグリーン一色に染まる。見渡す限り立すいの余地なし。歓声が湧くと隣の人の声も聞こえなくなり、ときに声援は地響きを伴う。得点すれば派手に花火が打ち上がり、曇り空を華やいだものに変えた。

よみがえる遠い日の記憶。米大リーグのマリナーズがとうの昔に失った熱気が、そこにあった。

9月5日、米プロフットボールNFLが開幕。3日後、シアトルで行われたシーホークスの開幕戦に足を運んだが、スタンドは6万8710人のファンで埋め尽くされていた。

翌日から、道路を挟んで南側にあるTモバイル・パークでマリナーズのホーム6連戦が行われたものの空席が目立ち、6試合の総観客数は9万8355人。イチロー(会長付特別補佐)の球団特別功労賞の表彰が行われた9月14日に2万6063人のファンを集め、前後はイチロー特別ウイークエンドと称して様々なイベントが催されたが、それがなければ、6試合でもシーホークス1試合分の集客にかなわなかったかもしれない。

つい、それぞれのスタジアムで働く人の人件費など、ランニングコストを考えてしまったが、コストパフォーマンスの差は、もはや比べようがない。

かといってシーホークスが特別強く、それがファンを呼び込む要因となっているわけではない。2013年にスーパーボウルを制したが、一昨年はプレーオフ出場を逃し、昨年はプレーオフ初戦のワイルドカードゲームで敗れている。今季は10月12日現在、4勝1敗と好スタートを切っているが、開幕前はギリギリでプレーオフに行けるかどうか、という評価だった。

シーズン券を求め6万8000人が待機

しかし、同12日現在、140試合連続でホームゲームのチケットはソールドアウト。約6万枚とされるシーズンチケットも売り切れで、それを買うにもまずは1万2000人の枠がある「ブループライド」というウエーティングリスト専用のメンバーになる必要がある。空きが出れば購入の権利が巡ってくるが、毎年の更新率が98~99%(過去最高は15年の99.6%=チーム発表)という状況では、いつになることか。そもそも、ブループライドのメンバーになるにも約6万8000人が待機しているといわれ、今から申し込んでもシーズンチケットホルダーになれるのはかなり先である。

それにしてもどうしてここまで差がついたのか。

マリナーズも年間116勝を挙げた01年から3年連続で年間観客数が300万人を突破。その後、プレーオフから遠ざかると客足も遠のいた。成績と観客数は、見事に連動する。

一方のシーホークスは03年以来、プレーオフ出場は12回。ポストシーズンに進めなかったのは4回だけ。本当に強かったのは3シーズンぐらいだが、シーズン最後までプレーオフに進めるかどうかという展開も少なくなく、最後までファンを引きつける。理由に不思議はない。

シーホークスの開幕戦そのものも面白かった。相手はベンガルズ。楽勝かと思いきや、先制を許した。前半終盤、残り1分を切って逆転したが、残り52秒からベンガルズにタッチダウンを許して、再びリードを奪われる。第4クオーターに逆転すると、その後、1点差にまで迫られたものの、残り12秒で相手のファンブルを誘って、辛くも逃げ切った。そんな展開に加え、最後の数分は残り時間をどう使うか、というタイムマネジメントの妙もあり、最後まで客席を離れるファンはいなかった。

さて、それから少しして、ラグビーのワールドカップ(W杯)が始まった。

9月21日に行われたニュージーランド対南アフリカの一戦をテレビで見たが、今度はそこに、NFLが失ったものがあった。

当たりの激しさがまるで違う。空中戦の攻防、ワンプレー、ワンプレーに対する執念が桁外れ。4年に1度というより、選手によっては一生に1度というW杯が舞台であることを考えれば、NFLのレギュラーシーズンとは比較にならず、そもそも違うスポーツでもあるのだが、もはや言語が違うというレベルだった。

最大の違いは安全面での選手への配慮。もちろんラグビーでも危険なタックルが野放しにされているわけではなく、アルゼンチン対イングランド戦では、アルゼンチンの選手がハイタックルで一発退場となったが、今のNFLは少々神経質。先日もレイダースのボンタゼ・バーフィクトがコルツのジャック・ドイルに対し、頭部へ危険なタックルを行ったとして、残りシーズンの出場停止処分(12試合)をくらった。

もともと彼は、常習犯。これまでも何度か出場停止処分を受けている。とはいえ、さすがに厳しいのでは、という声もあり、バーフィクトも処分の緩和を訴えているが、その妥協なき姿勢こそ、今のNFLを象徴する。

転ばぬ先のつえの多さに戸惑う選手

そんなNFLもしかし、少し前までは安全対策に腰が重かった。引退した選手の後遺症問題でも、対応が後手に回った。ただ、フットボールではNFLの現役選手だけでなく高校生や大学生の間でも深刻なケガが少なくなく、そんな中でNFLとしては、ルール作りを含め、選手を守るための改革を率先して行うことが求められた。そうなると徹底するのが米国。今や、転ばぬ先のつえが何本も用意され、その多さには選手も戸惑う。数年前だが、あるワイドレシーバーがこうニューヨーク・タイムズ紙にコメントしていた。

「俺たちのようなポジションは、より守られていると感じる。それは歓迎するけど、ディフェンスの選手には少し同情してしまう。以前のような激しさが失われつつある」

透けるのはジレンマ。その選手がラグビーのワールドカップを目にしたら、どう感じるか。

しかし、これも時代の流れ。日本の高校野球で、投手をどう守るかという議論が高まっているのと状況は似る。NFLとしてはそれなりの犠牲を払うのを覚悟で選手を守る、という方向にかじを切った。

10月3日のラムズ対シーホークス。残り5分38秒でラムズのラインバッカーがすでにボールを手放したQBのラッセル・ウィルソン(シーホークス)にタックルをしたとしてペナルティーをコールされた。ただ、あの程度でペナルティーを取られるなんて、少し前までならあり得なかった。しかし、それがNFLの選択――。迫力を失ったと批判されようと。

ところで、あのペナルティーを逆転につなげたシーホークスは、優勝候補のラムズに勝って、再びファンを熱狂させている。

同じ頃、大リーグのプレーオフが始まり、熱戦が続く。その一方でマリナーズは、今年も早々とオフシーズンに入った。

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