凸版印刷、正倉院内部をVR化 宝物鑑賞も可能に
凸版印刷と東京国立博物館(東京・台東)は正倉院の内部空間と宝物を再現した仮想現実(VR)作品を制作した。通常は立ち入ることができない正倉内部や正倉院宝物を精密に再現した。14日から同館で開催する天皇陛下の即位を記念した正倉院の特別展に向けて9日から同館東洋館で上映を始めた。期間は12月22日までで、鑑賞料金は高校生以上500円。
正倉の外観と内部を撮影。複数の画像から立体形状を計測してVRで再現した。横幅6.6メートル、高さ3.7メートルの大型スクリーンに実寸大で投映する。解説員の動きに合わせてVR映像も動き、内部を歩き回る感覚を演出する。
1260年以上を経た校倉(あぜくら)造りの建築工法をCG(コンピューターグラフィックス)を用いて紹介するほか、鎌倉時代の落雷により焼け焦げた跡も見られるようにした。
正倉院宝物「螺鈿紫檀五絃琵琶(らでんしたんのごげんびわ)」も鑑賞できるようにした。べっ甲や貝殻を使った、らでんの光沢など細部まで大画面で楽しむことができる。