ノーベル文学賞受賞に喜び トカルチュクさんら
【ベルリン、パリ=共同】2018、19年のノーベル文学賞受賞がそれぞれ決まったポーランドの女性作家、オルガ・トカルチュクさん(57)とオーストリアの作家・劇作家、ペーター・ハントケさん(76)は10日、欧米メディアなどの取材に応じ、喜びを語った。
トカルチュクさんは同日、ドイツ国内での読書会に参加した。「とても驚き、幸せに感じた」と述べ、自身の受賞が「ポーランド文化や文学発展の力添えになればうれしい」と話した。
著作ではポーランドの小さなコミュニティーを題材にすることも多いが、各国の人々に「普遍的な話として読まれている」と語り、自身にとって小説は「国境や言語、文化を超越する奥深いコミュニケーションの手段」とも強調した。
ハントケさんはパリ近郊の自宅前で取材に応じ、旧ユーゴスラビア紛争を巡る言動で批判を受けるなどした過去を踏まえ「自分が選ばれると思ったことはなかった。(授賞決定は)とても勇気ある決断だ」と述べ、感激をあらわにした。
ハントケさんは1990年代の旧ユーゴ紛争でセルビアに対する西欧側の批判的な報道姿勢や、北大西洋条約機構(NATO)による空爆を非難。訴追されたセルビア人の故ミロシェビッチ大統領を擁護し批判された。「さまざまな論争があった後で(授賞決定は)驚いた」と率直に語った。