首相、軽減税率「制度定着に取り組む」 参院代表質問
参院は9日午前の本会議で、安倍晋三首相への各党代表質問を続けた。首相は消費税増税にあわせて導入した軽減税率制度について「円滑な実施、定着に向けてきめ細やかな取り組みを進める」と述べた。2020年春の中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席の来日に向けて「日中関係を新たな段階へ押し上げ、日中新時代を切り開く決意だ」と語った。
公明党の山口那津男代表の質問に答えた。山口氏は飲食料品などの消費税率を据え置く軽減税率に関して「日常生活に大きな安心感を与えている」と強調した。軽減税率に対応したレジの導入を促す補助金や企業の相談体制の拡充を求めた。首相は「確定申告の相談対応など必要な体制整備に万全を期す」と応じた。
10月から始まった幼児教育・保育の無償化をめぐっては一部施設が便乗して保育料を値上げしているとの指摘がある。山口氏は「実態をつぶさに把握し、利用者目線に立った対応が求められる」と訴えた。首相は「既存施設に質の向上を伴わない理由なき利用料の値上げをしないよう指導を強化する」と語った。
将来の消費税率引き上げについては「安定的な経済再生と財政健全化に一体的に取り組み、今後10年程度は引き上げる必要はない」との考えを重ねて示した。憲法改正に関しては「憲法審査会で議論を重ね、国民の理解を深めることが国会議員の果たすべき重要な役割だ」と主張した。日本維新の会の片山虎之助共同代表の質問に答えた。
9日午後は共産党の小池晃、国民民主党の大塚耕平、自民党の石井準一各氏が質問する。7日から始まった衆参両院の代表質問を終える。