二階自民党幹事長「連立維持、ポスト安倍の条件」
自民党の二階俊博幹事長は自公連立政権に長く関わってきた。1999年の発足当初は自由党や保守党などの立場で自公の間を取り持った。いまは幹事長として公明党と関係を築く。連立20年の意義を聞いた。
――自公連立で自民党が得たものは何ですか。
「言うまでもなく政治の安定だ。自民党は政策決定で公明党と十分に協議している。公明党の平和主義や国民生活への視点を学んできた。自民党の政策が相当な部分でまろやかな形で国民に理解してもらえるようになった。政策を実現する能力は数段、高まっている。政治の大きな前進だ」
「選挙協力でも自民党は全国各地で公明党のお世話になっている。自民党も全国に支部があり県議や市議らを通じて公明党に協力している。互いにその実を挙げている」
――選挙協力で自民党の足腰が弱まったとの指摘もあります。
「どんな場合でもプラスとマイナスがある」
――自由党で連立に加わったとき、自公とどんな話をしましたか。
「公明党には『お互いの立場を尊重してやっていこう』と。それまでの政治行動で信頼し合える確信を得たから一緒になれた。自民党からは『お互いに円満にやっていこう』。政治の生産性を上げることは必要だ」
――自由党が自自公連立から離脱する際、小沢一郎氏とたもとを分かち、保守党、保守新党で自公連立に加わりました。
「妥協したり話し合ったりできなければ政治にならない。そのことがいま、実績に表れている。我々が歩んだ道に間違いはないと自信がある」
――自公連立は今後10年、20年と続きますか。
「私が決めることではない。互いにどんな形にしろ発展していくのは間違いない」
――自公の関係が揺らぐ不安はありますか。
「いまのところそういうケースは想定しにくい」
――憲法改正の議論で自公の溝が埋まらない場合、連立の組み替えや解消につながりますか。
「仮定の話だからいまそんなことは考えられないし、あり得ない」
――公明党と改憲論議をどう進めますか。
「改憲はあらゆる政党の協力を得ないといけないが、その前に与党である公明党との積極的な話し合いの場が必要だ。議論を性急に進めていくわけではない。公明党の考えは十分に拝聴していくから何ら心配はない。十分に乗り越えられる」
――二階氏自身が公明党と改憲について協議する考えはありますか。
「当然、話し合いの時期が来ればそうしたい」
――改憲に積極的な日本維新の会が連立に加わる可能性はありますか。
「それも一つの場面だろう。可能性が全くないとは言わないが、いますぐにどうこうとは考えていない。あらゆるルートや方法を否定せずに取り組んでいきたい」
――「ポスト安倍」候補は自公連立の安定を維持する力が必要ですか。
「当然だ。その要素がない者はリーダーになれない。公明党とも円満にやってくれたら大いに結構だ」