香港に「ミニ戒厳令」 覆面が覆い隠す不都合な真実
編集委員 中沢克二
「催涙弾の硝煙が立ち込める中、マスク姿の若者らが逃げ惑った香港は、30年前の『六四』前夜の北京の雰囲気に少し似てきた。心配だ」。50代の香港人男性が暗い表情を浮かべた。20歳前後の2人の息子のうち1人は日々、抗議活動に参じているという。
父親としては、息子たちがいわゆる「暴力的行為」に加担するのを止めざるをえない。しかし、自身も30年前には、香港で起きた「六四」に反対する中国非難のデモに参加して...
経済や安全保障面で米国の一極支配を打破しようとする中国の習近平政権の中枢で何が起きているのか。習国家主席による腐敗撲滅政策の狙いなどを的確に報じ、「ボーン・上田記念国際記者賞」を受賞した中沢克二・日本経済新聞編集委員(元中国総局長)が深掘りする。
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