首相、皇位継承「男系の重み踏まえ検討」 参院代表質問
安倍晋三首相への各党代表質問が8日午前、参院本会議でも始まった。首相は安定的な皇位継承について「男系継承が古来、例外なく維持されてきたことの重みなどを踏まえ、慎重かつ丁寧に検討する必要がある」と述べた。国内外に天皇陛下の即位を宣明するため22日に催す即位礼正殿の儀に関して「行事がつつがなく行われるよう全力を尽くす」と強調した。
立憲民主党の長浜博行参院議員会長の質問に答えた。2017年に成立した皇室典範の特例法は付帯決議で安定的な皇位継承を確保するための課題などを検討するよう求めた。首相は「国民のコンセンサスを得るには十分な検討と慎重な手続きが必要だ」と指摘した。
天皇陛下の即位に伴い秋にも政府が恩赦を実施する方針に関し、長浜氏は「どのように国民の理解を得るのか」と聞いた。首相は「実施する場合は内容と趣旨を国民に理解いただけるよう真摯に説明する」と表明した。
ホルムズ海峡を通るタンカーを護衛するため米国が同盟国に呼び掛けている海洋安全保障イニシアチブについては「米国、イランとの関係を踏まえつつ様々な角度から検討し、総合的に判断する」と語った。参加の是非は「予断をもって答えることは控える」と述べるにとどめた。
長浜氏は台風15号への政府の初動対応を「官僚任せで後手に回っていたと断ぜざるを得ない」と批判した。首相は「政府全体として切れ目なく対応し、内閣改造により対応が遅れたとの指摘はあたらない」と反論した。
自民党の世耕弘成参院幹事長は悪化する日韓関係に関して「どういうきっかけで健全な関係に戻していくのか」と質問した。首相は「国と国との約束を順守することで、健全な関係に戻すきっかけを作ることを(韓国に)求める」と説明した。
憲法改正をめぐっては首相は「先の参院選や世論調査で示された国民の声は憲法改正について議論を行うべきだというものだ」と述べた。「野党各党が案を持ち寄り、憲法審査会で活発に議論していだたきたい」と呼び掛けた。
8日午後は衆院本会議で代表質問を続ける。国民民主党の泉健太、公明党の斉藤鉄夫、共産党の志位和夫、日本維新の会の馬場伸幸各氏が質問する。