千葉銀行、水戸に法人営業所 東邦銀と共同拠点
千葉銀行は4日、茨城県水戸市に法人営業所を開設した。地銀9行でつくる「TSUBASAアライアンス」参加行で福島県地盤の東邦銀行水戸支店を間借りした。同アライアンスの枠組みを活用して共同拠点を設けるのは初めて。出店コストを抑えるとともに、協調融資やビジネスマッチングなど営業面での連携も深め、茨城県内での営業基盤を拡充する。
千葉銀は茨城県を「広域千葉圏」として位置づけている。これまで千葉県に隣接する茨城県南部で、神栖、守谷、つくばの3支店を拠点に営業展開してきたが、既存店舗の取引数増加に加え、顧客からの要望もあり、茨城経済の中心地となる水戸エリアへの出店を決めた。茨城県内には成田空港や首都圏中央連絡自動車道といった交通網の整備を受け、千葉県への進出を希望する企業も多いという。
一方、東邦銀は福島県に隣接する茨城県北部に水戸支店のほか、日立支店を展開している。千葉銀との共同営業拠点を軸に、茨城県内の南北異なるエリアの顧客基盤を互いに活用していく方針だ。
同日、営業所の開設式典に出席した千葉銀の佐久間英利頭取は、「水戸市周辺は優良企業が集積し、千葉県市川市や柏市と同規模以上のマーケット」と指摘。「不動産情報など千葉の情報を提供し、茨城の企業の発展に役立ちたい」と意気込みを語った。東邦銀の北村清士頭取は「茨城県南部が成長マーケットになりつつあり、我々の営業活動に限界があった。(共同拠点は)相乗効果が見込めるプロジェクト」と期待を込めた。
水戸法人営業所は茨城県内の既存顧客の一部を引き継ぐ形で、取引先98社、貸出金残高70億円から始める。顧客の拡大やニーズもふまえ、将来的には支店に昇格させることも視野に入れている。
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