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混戦のペナントレース 明暗を分けた選手運用

野球データアナリスト 岡田友輔

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2019年のペナントレースは両リーグとも最後まで目が離せなかった。混戦の明暗を分けた決め手は何だったのか。数字を基に振り返ってみたい。

パ・リーグは西武が逆転で連覇を飾った。主将の浅村栄斗、エースの菊池雄星という投打の主力が去り、厳しい戦いが予想されたが、後半戦の追い上げはすさまじかった。持ち駒を最大限に生かした起用法と、それに応えた選手が見事だった。

今年のチームもよく打った。18年の792得点には及ばなかったが、756得点はリーグ2位ロッテに100点以上の差をつけ、12球団で別次元の破壊力だった。目立った離脱がなかったレギュラー陣は満遍なく活躍したが、打線の核だった「3番・二塁」の浅村の穴を埋めたという点では森友哉と外崎修汰の奮闘に尽きる。

以前紹介した「WAR(Wins Above Replacement)」という指標を思い出してほしい。各選手が走攻守で生み出した「得点価値」をはじき出し、控えレベルの選手が出た場合に比べた貢献度を勝利数に換算したものだ。

森は打率3割2分9厘で首位打者を獲得したほか、23本塁打、105打点と打撃3部門すべてでキャリアハイの数字を残した。今年、森が出ることによって上積みされた価値は7.8勝。これはパ・リーグトップの数字で、昨季の3.6勝から大幅にアップした。

特筆すべき捕手森の貢献

打撃面での貢献はもちろん、WARの上昇は捕手での出場機会が約1100イニングと昨年の666から大幅に伸びたのが大きい。レギュラーの役割は打ったり守ったりすることだけでなく、力の劣る控え選手を試合に出さないことでもある。森が出続けたことにより、西武は打力の劣る控え捕手をほとんど使わずに済んだ。捕手のような守りが重視されるポジションにあって、これは特筆すべき貢献だ。森は「打てる捕手」として一時代を築いた阿部慎之助(巨人)の後継者になりつつある。

主に二塁を守りながら、26本塁打、90打点をたたき出した外崎も見逃せない。今年のWARは6.7と森に次ぐリーグ2位。外野や三塁を守ることも多かった昨季の3.6勝から倍近い貢献度となった。複数の守備位置をこなせる「ユーティリティープレーヤー」は珍しくないが、打力、守備力ともこれほど高いレベルを兼ね備えた選手は過去の日本球界でも記憶にない。森と外崎のWARの上積みは合わせて7.3勝分。昨年の浅村のWAR(6.5)を埋めてあまりある活躍だった。

昨季に続いて防御率リーグワーストの投手陣を野手陣がカバーした西武と対照的だったのが、9月に逆転されたソフトバンクだ。西武を上回るリーグ最多の183本塁打を放ちながら、得点は同4位の582。リーグ1位の防御率を誇る投手陣を十分に援護できなかった。

最大の痛手は柳田悠岐の長期離脱だ。柳田の18年のWARは12球団最高の8.8勝分。それが出場38試合だった今年は1.5にとどまった。ひとりで7勝分以上が消えてしまったわけで、彼が普通に働けば、ソフトバンクは難なく優勝できていた。

悔やまれる柳田の負傷

チームの得点力は出塁率と長打率によって決まる。アルフレド・デスパイネや松田宣浩らソフトバンクの主力は長打はあるが、四球を含めた出塁率はさほど高くないタイプ。球界トップレベルの出塁能力を誇る柳田に加え、選球眼のいい中村晃も長期離脱した今年のチーム出塁率はリーグ5位に低迷した。これでは打線はつながらない。シーズン終盤は2人とも復帰したが本調子には遠く、得点力不足は解消できなかった。

柳田の離脱は左膝裏の肉離れが原因だ。悔やまれるのはケガをした状況だ。柳田は4月7日のロッテ戦、6-1とリードした七回に三盗を仕掛けて足を痛め、交代した。盗塁自体は成功したものの、試合展開を考えると代替のきかない柳田を走らせる状況なのかは検証されるべきであり、結果的に割に合わないツケを払うことになった。積極的な走塁は大切だが、レギュラー陣の年齢が上がっているチームは以前に比べ運用リスクが上がり、それに対するマネジメントがより求められる状況だった。

セ・リーグを5年ぶりに制した巨人は丸佳浩の獲得が最大の勝因と断言できる。WARでみたシーズンの貢献度は4.9勝分。巨人で求められる役割に応えるため、プレースタイルを多少変えようとしていた様子もうかがえ、2年連続で最優秀選手(MVP)に輝いた過去2年の8.6、7.0には及ばなかった。それでも移籍1年目では十分な働きだ。

広島の戦力を大幅ダウンさせる同一リーグ内での移籍という点でも、インパクトは絶大だった。丸を引き留められていれば広島が4連覇していた可能性は高い。広島は今年以降も主力が相次ぎフリーエージェントの権利を得る。自前での選手育成は広島の大きな強みだが、プロ球団である以上、チームの顔に育った選手に対して市場価値に見合った投資ができる経営体力の確立が、重要な課題となるだろう。

光った原監督の手腕

優勝を目指す巨人の本気度はペナントレース中も見てとれた。抑えを期待したライアン・クックが見込み違いと判断すればルビー・デラロサを獲得し、日本ハムや楽天とのトレードで中継ぎ投手も次々と補強した。先発の起用でも18年は15回しかなかった中5日以内での登板が42回と信頼できる投手を短い間隔で投げさせた。疲労が蓄積し、故障のリスクが増す起用法の中長期的な影響は来年以降をみないと分からないが、今季については成功したと評価できる。一方、野手陣では体調に不安のあった坂本勇人をうまく休ませながらシーズンを通して使い切るなど原辰徳監督の手腕が光った。

両リーグとも主力選手の移籍などで球団間の戦力差が縮まった今季はベンチ、フロントまで含めた選手運用の優劣がペナントレースを左右した。それはポストシーズンでも大きな比重を占めるはずだ。

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