革新投資機構社長に横尾氏を発表 社外取に榊原経団連名誉会長
菅原一秀経済産業相は4日、官民ファンドの産業革新投資機構(JIC)の空席となっている社長職に、元みずほ証券社長の横尾敬介氏を就ける人事を内定したと発表した。JICが近く臨時の株主総会を開き正式決定する。事実上の休止状態だったJICの経営陣を刷新し、再起動を図る。
横尾氏は旧日本興業銀行出身。みずほ証券社長や経済同友会専務理事を務めた。菅原氏は横尾氏について「経営トップとして複数ファンドを立ち上げた経験がある」と実績面を強調した。社外取締役には経団連の榊原定征名誉会長が就く人事も内定した。
JICは産業革新機構(INCJ)の後身として2018年9月に発足。社長に三菱UFJフィナンシャル・グループ元副社長の田中正明氏が就いたが、経営陣の報酬が高すぎるとの声が出た。経産省が提示していた報酬案を撤回すると、同省とJIC経営陣の対立に発展。ファンドの運営方針を巡ってもあつれきが強まり、同年12月に田中前社長を含む民間出身の取締役9人がそろって辞任した。
横尾 敬介氏(よこお・けいすけ)74年(昭49年)旧日本興業銀行入行。07年みずほ証券社長、11年会長、15年経済同友会副代表幹事・専務理事