ボーイング、エンブラエルの統合遅れ 欧州審査長引く
【ニューヨーク=中山修志】米航空機大手ボーイングは3日、ブラジルのエンブラエルとの商用機部門の統合が2020年初めにずれ込む見通しだと発表した。2019年末までに手続きを完了する計画だったが、欧州当局の審査に時間がかかっている。主力機「737MAX」の運航停止が続くなか、統合の遅れはボーイングの事業戦略に影響しそうだ。
両社は18年に商用機部門の統合を発表し、ボーイングが80%、エンブラエルが20%を出資することで合意した。ボーイングはエンブラエルが得意とする100席以下の小型機を取り込み、カナダ・ボンバルディアの小型機事業を傘下に収めた欧州エアバスに対抗する。
統合計画は米当局などの承認を得たが、欧州委員会の審査が残っている。米欧はボーイングとエアバスの互いの補助金を巡って激しく対立している。審査に時間がかかれば小型機の品ぞろえで後れを取り、エアバスの独走を許す可能性がある。