フィッチ、米WeWorkの格付け2段階下げ 資金調達に不安
【ニューヨーク=大島有美子】格付け会社大手フィッチ・レーティングスは1日、シェアオフィス「ウィーワーク」を運営する米ウィーカンパニーの信用格付けを2段階引き下げて「トリプルCプラス」にすると発表した。格下げの理由について、フィッチは新規株式公開(IPO)の延期による資金調達への不安などを挙げた。
フィッチはこれまで「B」で既に債務不履行(デフォルト)の可能性が通常の社債より高い「ジャンク債」級としていたが、さらに信用評価を引き下げた。格付けの中期的な見通しを示すアウトルックも「ネガティブ(弱含み)」に引き下げた。
フィッチはウィーの今後の見通しについて「特に法人契約の伸び悩みがウィーの事業と市場における立ち位置を毀損する恐れがある」とコメントした。
格付け大手S&Pグローバル・レーティングスも9月末にウィーの格付けを1段引き下げ「シングルBマイナス」としている。ウィーは新たな資金調達を模索しているが、起債の環境は一段と厳しくなり、増資や銀行融資などに頼らざるを得ない状況となっている。市場関係者は大株主のソフトバンクグループの出方に関心を寄せる。
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