凸版印刷、行動データから訪日外国人客のニーズ分析
凸版印刷は旅行会社のクラブツーリズム(東京・新宿)と協力し、行動に関するデータから訪日外国人客のニーズを分析する実証実験をこのほど開始した。SNS(交流サイト)に投稿した写真や、デジタルクーポンの利用状況から、訪日外国人客の趣向を把握する。分析を通じて、訪日客のニーズに合わせた観光地への誘致やツアー商品の開発につなげていく。
クラブツーリズムが開催する訪日外国人客向け企画旅行の参加者約1000人を対象に12月31日まで実験する。参加者にJR大阪駅や天橋立(京都府宮津市)などの観光地8カ所で利用できるデジタルクーポンを配布。クーポンの利用状況から、参加者がどの観光地を訪れたかを把握する。
同時に、ツアーの参加者が写真投稿サイト「インスタグラム」やツイッターに投稿した写真も分析する。従来のツアー後のアンケート調査では、回答してもらえないなど限界があった。デジタル情報の分析により、訪日外国人客のニーズをより正確に把握できるようになるという。
政府は東京五輪・パラリンピックが開催される2020年にインバウンド4000万人、旅行消費額8兆円を目標に掲げている。凸版印刷は訪日外国人客のニーズを掘り起こし、20年以降のリピーターの増加につなげたい考えだ。今後、実証実験を通じて、ニーズの分析結果を施策として自治体に提供するなど商用化を目指す。