米大型SCの憂鬱 遠のく客足、逃げるマネー
米国の消費をけん引してきたショッピングセンター(SC)の苦境が鮮明になってきた。ネット通販に押され、カジュアル衣料の米フォーエバー21が経営破綻したように、SCを支えてきたテナントの小売店などの集客力が低下。SCの2割が閉鎖するとの予測がある。米国の商業不動産の価格指数をみると、ネット通販を支える物流施設が上昇する一方でSCが下落するなど、投資マネーも逃げつつある。
テナント破綻、全米SC2割閉鎖の予測
米ペンシルベニア州のピッツバーグ郊外。地元では約40年の歴史を持った大型SCが、いまやみる影もない。米国では郊外のSCが「デッドモール」などと呼ばれ、治安などの観点から問題になることもある。
不動産サービス会社のJLLによると、米国のSCの総面積は2018年1~3月をピークに減少に転じ、その傾向が続く。郊外の大型店を中心に閉鎖が増えたことが響く。クレディ・スイスは、全米のSCの20~25%が閉鎖すると予測する。
米国では1980年代から