9月の百貨店5社売上高、駆け込み消費で2割以上増
大手百貨店5社が1日発表した9月の売上高(既存店ベース、速報値)は、全社が前年同月比で2割以上プラスと大きな伸びを示した。消費増税前の駆け込み需要で宝飾品や高級雑貨などの販売が好調だった。ただ、2018年9月に発生した台風の影響で売上高が落ち込んだ反動増もあり、前回増税時の前月の14年3月と比べると駆け込みは小さかったようだ。
5社の売上高が前年を上回るのは11カ月ぶり。売上高は大丸松坂屋百貨店が32.6%増、高島屋が33.2%増、三越伊勢丹が26.9%増、そごう・西武が20.2%増、阪急阪神百貨店が21.2%増だった。
大丸松坂屋では宝飾品や化粧品に加え、苦戦する紳士服飾も好調。三越伊勢丹では改装した新宿や日本橋などの時計売り場を改装したこともあり、有名ブランドの定番商品が売上高を伸ばした。
14年4月は各社とも13年4月と比べて1割前後落ち込んだ。今回は駆け込みが小さいため、10月以降の落ち込みも小さいとみている。ただ、「(前回の増税後は月ベースで)前年を上回るのに1年くらいかかった」(大丸松坂屋)こともあり、軽減税率の対象となる食品を取り扱う物産展などを充実させ消費を喚起する。