中国市民、パレードで習氏に忠誠
【北京=渡辺伸】中国・北京市の天安門広場一帯で1日、建国70周年を記念する市民パレードが開かれた。歴代の最高指導者の巨大な肖像画を掲げたパレード車が走行した。「中国の特色ある社会主義を貫徹する」などと書いたプレートが掲げられ、習近平(シー・ジンピン)国家主席への忠誠と、国家としての一体感を表現した。参加者は10万人強とみられる。
市民パレードは1日午前の軍事パレードに続いて行われ、子供から高齢者まで幅広い年齢の市民が街頭を練り歩いた。パレード車は「建国の父」と呼ばれる毛沢東、鄧小平、江沢民、胡錦濤、習主席の5人の巨大な肖像画を掲げた。
「祖国よ、私たちはあなたを愛する」。吹奏楽団が演奏する音楽に合わせて、市民らは歌って踊り、スローガンを叫んだ。習主席ら共産党の幹部はひな壇の上からパレードを見物した。
省や直轄市などの行政区ごとに分かれたパレード車も用意され、デモで揺れる香港の車も登場した。独特のデザインの衣装を着込んだ少数民族も参加した。街頭では市民らが赤い国旗を振りパレードを出迎え、数万にのぼるハトと風船を空へ放った。
3期目となる新たな習近平(シー・ジンピン)指導部が発足しました。習政権では習氏に近いとされる「習派」は最高指導部を指す政治局常務委員で7人中6人を占め、序列24位以内の政治局員でも約7割が該当するとみられます。権力の一極集中を進める習政権の最新ニュースや解説をまとめました。
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