凸版印刷、首にかけるIoAデバイス 遠隔で観光体験
凸版印刷は首にかけるタイプのウエアラブルデバイス「IoA(インターネット・オブ・アビリティーズ)ネック」のレンタルを11月に始める。前面に搭載した端末から映像などを送受信し、装着者が体験したものを遠隔地にある画面を通じて同時に体験できる。スポーツ観戦や観光体験などでの利用を想定する。
装着者が実況しながら映像を撮ることができる。貸し出す端末の画質はフルHD。遠隔地にいる人はコントローラーを使って装着部分を特定のパターンで振動させ、装着者に進行方向や向きなどの指示を出せる。言語の違いなどで会話が難しい場合でもコミュニケーションをとれる。次世代通信規格「5G」と組み合わせると、より多くの装着者をつなぐことが可能になる。
同社はこれまで、遠隔地から操縦し、実際に現地にいるかのような体験ができる分身ロボットを提供してきた。「IoAネック」は人が装着するため、ロボットの行けなかった悪天候の環境や段差のある場所でも遠隔体験を実現する。
価格は1カ月1台税別3万円からで、オプションにより変動する。
9月28日に開催された明治安田生命J1リーグの鹿島対札幌戦で試験導入された。茨城県立鹿島特別支援学校の教諭が試合前のグラウンドでのウオーミングアップ風景などを撮影し、同校体育館に集まった生徒とその家族が遠隔体験した。
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