配車の次は中古車サイト 東南アジアで火花[ディールストリートアジア]
マレーシアのカーサム、フィリピン参入へ
東南アジアで中古車サイトを運営するカーサム(Carsome、マレーシア)最高経営責任者(CEO)兼共同創業者のエリック・チェン氏は、2020年にもフィリピン市場に参入する。現地企業との合弁を目指す。フィリピンの中古車市場はマレーシアと同じ程度の年間40万~50万台の規模があるという。
カーサムには、中国などに拠点を置く投資会社のゴビ・パートナーズなどが出資する。カーサムは現在、インドネシア、シンガポール、タイ、マレーシアで事業を展開する。
海外展開を加速する背景には、カーサムが主力にするマレーシア市場での競争激化がある。シンガポールに本拠を置く競合のカーロ(Carro)がマレーシア企業のマイトゥカール(myTukar)に3千万ドル(約32億円)を出資して、同市場に参入すると表明した。カーロは19年末までにマレーシアで他の企業にも出資する計画で、海外展開を加速している。
カーロは19年8月に有力ベンチャーキャピタルのBキャピタルやソフトバンク・ベンチャーズ・アジアなどから9千万ドルを調達しており、豊富な成長資金を元手に海外展開を加速する。カーサムも同じようにM&A(合併・買収)を通じて技術・製品サービスを強化する方針だ。
カーサムなど東南アジアの中古車サイト大手は中古車売買に加え、整備やローンなどの手続きを一貫して提供するサービスを展開する。カーサムは現在、東南アジア市場で年間3億~4億ドル相当の取引額があり、マレーシアでの事業が約5割を占める。
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