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大谷、左膝を手術 自覚していたスイング軌道のズレ

スポーツライター 丹羽政善

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「走り込みが足りないのでは?」

「人口比2%に満たない珍しい"先天性"の異常」

先日来、大谷翔平(エンゼルス)が受けた左膝蓋骨(しつがいこつ)手術の原因などに関して、様々な報道がある。分かりやすい言葉やキャッチーなフレーズに目を奪われがちだが、そうやってミスリードされていくことも少なくない。冒頭の言葉など、川崎市武蔵小杉にある「ベースボール&スポーツクリニック」ドクターの馬見塚尚孝さんの話を聞くと、むしろ逆であることがわかる。

成長過程での走り込みが原因?

「膝蓋骨は、生まれたときはすべて軟骨ですが、4~6歳、8~12歳のときに軟骨という"海"の中にできる"島"のように骨ができ、その島が成長とともに癒合して一つの骨になります。この癒合過程で『走り込み』などの力学的ストレスや大きな外傷が加わると、癒合不全を起こし『分裂膝蓋骨』となります」

つまり、大谷は生育過程において、走り込みなどをやりすぎた可能性さえあるのだ。

「大谷選手の場合は、身長が高いため、膝に力学的ストレスがかかりやすく、さらに成長の期間が長かったため、他の選手より軽いトレーニングでも膝蓋骨の癒合不全が生じやすかったと推察されます」

となると、エンゼルスのビリー・エプラーGM(ゼネラルマネジャー)が9月12日の会見で何度か使った「先天性」という表現にも疑問が生じるが、日本の整形外科医の間では、こう解釈されているそうだ。

「以前は日本でも先天性のものとして扱われてきましたが、いまはさまざまな研究で成長期の骨化障害や外傷が原因だとの説が有力になっています」

疑問を持ったその先を、もう少し深掘りしてみる。そうすることで、ものごとの本質が見えてくる。手術後の24日に行った会見で、大谷は、左膝に痛みを抱えたままシーズンを過ごしていたことを明かした。それを聞いて、そういうことだったのか、と複雑に絡み合っていた糸が一気にほぐれていった。

極度と形容してもいい8月終わりから9月上旬にかけての打撃不振。何がそれを招いていたのか、大谷本人でさえ、答えを探していたのだ。

何かがおかしい。その予兆をたどっていくと、それは前半戦の最後まで遡らなければならなかった。後半戦が始まって少したった頃、大谷は「オールスターブレークに入る前のアストロズ戦もそこまでよかったという感覚はない」と言ってから、こう続けている。

「ホームランになってはくれてましたけれど、ずっと『すごいいいな』というのはなかった」

アストロズとのシリーズが始まったのは7月5日のこと。彼はそこからずっと、もどかしさを感じていたというのだ。

それまでは、新人王を一気にたぐり寄せた昨季終盤を彷彿(ほうふつ)とさせた。今季、5月7日に復帰してからしばらくはムラがあったが、オープン戦での調整期間がなかったのだから、試合を重ねながら一つ一つ修正していくしかなかった。

「いろんな投手がいる中でその間合いを詰めていくことは、実戦でしかできないので」

その作業を終えた6月からは、らしさを取り戻した。6月4日~7月4日までの28試合(22先発出場)で、95打数37安打、8二塁打、1三塁打、9本塁打、打率.389、出塁率.422、出塁率と長打率を合わせたOPSは、1.201という驚異的な数字をマークしていた。

ところが――。

前半で14本塁打を放ち、30本はいくのでは? と思われたが、後半に入って大失速。7月27日にようやく後半戦1号が出たが、2発目はなんと8月18日だった。8月終わりから9月頭にかけては不信も極まり、ついに9月3日の試合後、ジェレミー・リード打撃コーチらと話し合いを行っている。

このときリード打撃コーチは、「技術的なことについては話せない。そもそもスランプは、(マイク・)トラウトや(アルベルト・)プホルスにもあること」と多くを語らなかったが、実はその前日、大谷が原因を口にしていた。

「今はどっちかというと、軌道のズレかなという感じがする。見えている球に対して空振りをしたりとか、当たり損ねの打球になっている」

これまでの感覚なら捉えた、という球が空振りやファウルになる。スイング軌道が自分のイメージしたものと異なる。

投手のリハビリ進行が膝にも負荷

問題はその要因だが、「う~ん、その軌道がどういう動きからできるのかっていうことをまず考えないと。構えも含めて」。大谷は答えを模索する中、スイングの始動どころか、構えにまで捜索範囲を広げていたが、本人は分かっていたのではないか。左ひざの痛みがスイングに影響をもたらし始めていることを。

手術を受けるという発表をした12日、エプラーGMは、「投手としてのリハビリが進むにつれ、球速も83、85、86マイルと上がってきた。そうして徐々に(膝にかかる)負荷が大きくなる中で痛みも出てきた」と状況を明かした。

大谷が、昨年10月に受けたトミー・ジョン手術のリハビリ過程で初めてブルペンに入ったのは今年6月26日だが、強度が高まり、投げるたびに左ひざに痛みが出るようになったのは、8月半ばすぎという。打撃の低迷期とある程度、重なってくる。

大谷自身も24日、走塁やスイング時に痛みがあったことを認め、「それが(不振の)言い訳にはならない」とも強調した。左打者は打ちに行く時、まず体の左側に体重移動をする。それを支えるのは左ひざだが、そこで痛みがあればどうなるか。ひいてはそれがスイング軌道のズレにつながった可能性は、やはり十分あるのではないか。

8月終盤の不振について、「相手よりは、どちらかというとこっち(の問題)」と繰り返してきた大谷。左ひざの手術に踏み切ったことは、その言葉が間違っていなかったことの一つの回答になった。

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