神戸鋼など非鉄3社、投資ファンドに銅管事業を譲渡
投資ファンドの日本産業パートナーズ(JIP、東京・千代田)は27日、神戸製鋼所と三菱マテリアル、古河電気工業の銅管事業の株式を、傘下の特別目的会社(SPC)がそれぞれ取得すると発表した。取得する事業の合計の売り上げ規模は600億円程度のもよう。非鉄3社は主力の伸銅品や電線とシナジーの薄い銅管事業を譲渡し、自動車向けなどの成長分野に注力する。
JIPは、神戸製鋼所が55%、三菱マテリアルが45%出資するコベルコマテリアル銅管(KMCT、東京・新宿)の株式を両社から45%ずつ取得する。取得額は合計で約90億円。神戸製鋼はKMCTの10%の株式を引き続き保有する。KMCTは2004年の設立で、2018年度の売上高は516億円。
古河電工からは子会社の奥村金属(兵庫県尼崎市)などの株式を取得する。取得額は非公表。同事業の売り上げは百数十億円規模とみられる。古河電工は電線事業とシナジーが薄い銅管事業を切り離す考えだ。
JIPは取得するそれぞれの事業の一体運営をめざす。銅管を製造する古河電工の尼崎工場(兵庫県尼崎市)を今後2年程度で閉鎖し、KMCTの秦野工場(神奈川県秦野市)に集約するとしている。