筑波大、「データサイエンス」必修化 全国で初
筑波大学は2019年度以降に入学した全1年生を対象とした必修科目「データサイエンス」を10月から開講する。データサイエンスに関する知識を学ぶ講義と、コンピューターでの演習の両方を取り入れる。すべての学生に根拠に基づいた意思決定を適切に行うために必要となる基礎的な知識と技術を習得させる。
総合大学で全学生がデータサイエンスを必修科目として履修する取り組みは全国初という。
対象となるのは1年次の全学群・全学類約2100人。1クラスは40~50人程度で構成し、1人1台のコンピューターを利用する。75分の授業を2コマ連続で10週間にわたって開講する。
授業では、コンピューターを利用したデータの収集や管理、分析などに関する基礎的な技術を学習させる。同大は人文・理工・医学・体育・芸術など専門分野が多岐にわたるため、各分野でのデータサイエンスの活用事例を紹介するビデオ講義を通じて学習を動機づける。データサイエンスにおける人権の考え方やプライバシー保護など倫理観も身につけさせる。
同科目の教育効果を評価するための調査を3年間実施し、日本のデータサイエンス人材育成への貢献を目指す。永田恭介学長は必修科目にする意義について「データサイエンスは人文系の学生でも難しくない。少し知っているだけでずいぶん違ってくる」と説明する。